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中小企業がオウンドメディアを運用すべき理由を紹介。作成の流れ、コツ、注意点も
株式会社NoSHAPE
「中小企業でもオウンドメディアを運用すべきなのか」と悩んでいる方もいるかもしれません。中小企業がオウンドメディアを開発・運用するには、資金やリソース、ノウハウに不安があると思います。
たしかに、大手企業よりも資金力が低い中小企業は、オウンドメディアの制作や運用にかけられる人員や資金が少ないといえます。
しかし、中小企業であってもオウンドメディアを活用することで、様々なメリットがありますし、自社のビジネスを大きく加速できます。
オウンドメディアを成功させるには、コツや注意点を理解することが大切です。今回は、中小企業がオウンドメディアを成功させるために必要な知識を解説します。
オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、SNSや会報誌、カタログ、パンフレットなどを含めた「自社が所有する独自のメディア」を指します。狭義では、WebマガジンやブログなどのWebメディアを意味することが多いですが、この記事ではこちらの意味で利用します。
見込み客のニーズにあった情報をオウンドメディアを介して提供することで、ユーザーにメディアを訪れてもらい、自社の認知を拡大できます。さらに、メディアで自社サービスに関する知識を提供することで、ユーザーを育てていくこともできます。ユーザーの獲得だけでなく、見込み客の教育によって関心度を高められるのです。
オウンドメディアは、中小企業でも高い成果を期待できる施策です。中小企業であってもぜひ活用しましょう。
中小企業がオウンドメディアを活用すべき理由4つ
ここでは、中小企業がオウンドメディアを活用すべき理由を解説します。
1.低コストで開始・運用できる
オウンドメディアは、低コストで開始・運用できる施策です。すでに自社サイトを所有している企業なら、ブログのような記事の投稿機能をプラスするだけで、開発費用をかけずにオウンドメディアをスタートできます。
オウンドメディアをイチから制作する場合にも、他の広告手段と比べても低コストで作れます。オウンドメディアの制作・運用費用に関しては、以下の記事で解説しているので参考にしてください。
また、運用に関しても必要なのは記事作成費用だけなので、コストを抑えられます。記事の作成は外注できますが、自社内で作成することでさらにコストを抑えられます。
他の施策とのコストバランスを見ながら、オウンドメディアの運用を臨機応変にストップできるのでコストが膨らむことがなく、中小企業でも始めやすい施策といえるでしょう。
このように、オウンドメディアは低コストで開始・運用できるからこそ、中小企業が利用するのにおすすめなのです。
2.コストパフォーマンスがよい
オウンドメディアは、他のWeb施策と比べてもコストパフォーマンスがよい点が特徴です。
オウンドメディアでは、記事を作ることで自然検索からの流入を得ていきます。需要の大きな検索キーワードで記事を作成し検索結果の上位に表示できれば、多くのユーザーを集められます。
一度記事を作れば検索ユーザーを流入させて購入を促せるので、コストパフォーマンスがよいのです。さらにメディアの記事作成費用は低いので、低コストで大きな成果を得られる可能性があります。
また、オウンドメディアでは一度記事を作成すれば、その記事は残り続けることになります。広告では出稿をやめれば集客効果はなくなりますが、オウンドメディアでは記事を一度作成すれば流入が継続的に続くのです。
3.資産として蓄積できる
作成したオウンドメディアのコンテンツは、資産として蓄積できます。
広告では、出稿するのは他社媒体であり、あくまでコンテンツは他社のものです。広告の出稿をやめれば、作成したコンテンツは効果を失います。
一方、オウンドメディアでは一度記事を作成すれば、広告のように費用がかかることなく常に記事を公開しておくことが可能です。つまり、記事を作れば作るほど自社の資産を増すことができるのです。
加えて、オウンドメディアで質の高い記事を掲載することで、Googleなどの検索エンジンからのWebサイトへの評価も高まります。このように、評価も蓄積できるのです。
4.スピーディな情報発信ができる
オウンドメディアを活用することで、スピーディな情報発信が可能になります。
オウンドメディアでは自社でWebメディアを持つことになるので、迅速に情報を発信できます。自社や業界のニュース、社会で話題になっている事象などに対しての記事をスピーディに公開することが可能なのです。
特に、中小企業は大手企業と比較すると意思決定に時間がかかりません。そのため、よりスピーディに情報を公開して顧客を獲得できるのです。
中小企業がオウンドメディアを作る前の準備
中小企業がオウンドメディアを作るべき理由はわかったと思いますが、オウンドメディアの制作に取り掛かる前には準備が必要です。中小企業がオウンドメディアを始める前にしておくべき準備について解説します。
目的を決める
まず、オウンドメディアを運用する目的を決めましょう。オウンドメディアを何のために運用するかによって、作るべきサイトやコンテンツが変わってくるからです。
集客・顧客育成・ブランディング・採用など、オウンドメディアを運用する目的は企業によって大きく異なります。例えば、集客の場合には流入を増やすための記事やユーザーにサービスを訴求する記事が必要になりますが、採用の場合には自社の魅力や将来性を紹介する記事が必要になります。
目的を定めておくことで社内の意識も統一できます。規模が小さいからこそ団結することが重要な中小企業では、意識を統一することが重要です。
ターゲットを決める
目的を決定した後は、オウンドメディアの記事を読んでもらうターゲットを定めましょう。ターゲットが曖昧なまま記事を作成しまうと、内容がぶれてしまいますし、訴求力の弱い記事になってしまいます。
中小企業では顧客との距離が近いこともあり、より具体的なターゲットを設定しやすいはず。自社がこれまでに関わってきた顧客などを具体的に思い浮かべ、ターゲットを明確にしていきましょう。
設定する際には、名前や性別、職業、住所、ライフスタイルなど、より詳細な人物像まで設定するペルソナを作ると、より訴求力のある記事が書けるようになります。
体制を整える
オウンドメディアを開発・運用していくには体制を整えることが重要です。オウンドメディアを始めるには、自社内にライターや編集者、場合によってはデザイナーやエンジニアが必要になります。自社ではなく記事制作を外注する場合は、依頼先を選定しなくてはいけません。
中小企業は大手と比較すると人数が少なく、オウンドメディアの運用に労力とコストをかけられないことが多いです。日常業務とは別で運用を行うことになるので、体制を整えないと担当者の業務量が大きくなりすぎてしまい、運用が止まるという事態に陥る可能性があります。
中小企業でもできるオウンドメディアの始め方
オウンドメディアは、中小企業でも自社で制作して始めることができます。ここでは、中小企業でもできるオウンドメディアの作り方を解説します。
1.CMSを設置
CMSとはコンテンツマネジメントシステムのことであり、利用することで記事が作りやすく、管理しやすくなります。CMSを利用しないと、HTMLやCSSのプログラミング言語を用いてページごとにデータを作成する必要があり、制作や管理に手間がかかってしまいます。
CMSを利用すれば、簡単にサイトの制作ができ、運用も楽になります。まずはCMSを選定しましょう。
広く普及しているCMSとしては、WordPressがあげられます。プラグインが豊富なのであらゆる機能をつけられます。無料で利用できるので、ミニマムにスタートする時などにはWordPressがよいでしょう。
オウンドメディア向けのCMSは、下記の記事で紹介しているので参考にしてください。
2.キーワード選定
記事を掲載するメディアサイトを整えたら、記事の作成を行っていきます。記事の作成にあたってまず重要なのがキーワード選定です。
オウンドメディアではユーザーの検索に対して、検索結果で記事を上位に表示することでサイトを訪れてもらいます。何の検索キーワードで上位表示してユーザーを得るかが重要なのです。
検索キーワードがずれていたらユーザーに検索してもらえませんし、アクセスを集められません。キーワードの選定は慎重に行いましょう。キーワードの選定は、キーワードプランナーなどのツールを利用することで行います。
3.ライティングルール作成
記事のライティングに取り掛かる前に、ライティングルールを定めましょう。統一感のないテキストや文章構成だと、ユーザーがメディア内を回遊する際に違和感を覚える可能性があります。
ライティングルールを設けることで一貫性のある記事を作成でき、読者が違和感を覚えることなく読み進められます。
例えば、文末は「です・ます」調なのか、ターゲットは誰か、見出しのルール、開く漢字、改行など、具体的なライティングルールを決めていきます。ライティングルールがあることで、外注ライターからあがってくる記事の質を一定に保てます。
4.ライティング・記事作成
ライティングルールを定めた後は、いよいよライティングを行っていきます。
記事を自分たちで作成する際は、ユーザーのニーズに応えるような内容を書くように努力しましょう。どのようなことに悩んでいて、どんな情報があったら読み進めるのかを徹底して考えることが重要です。
書き方としては、見出しをしっかりと設置する、各章は結論を初めに書く、HTMLタグを適切に利用する、より独自の内容、信頼できる情報を提供するなどがポイントになります。ユーザーが読みにくい文章だと離脱率や直帰率の上昇につながるので、文章の校正も細かく行いましょう。
また、記事作成を外注する際には、検索キーワードやターゲット、ユーザーニーズ、参考サイトなどを提供して、書いてほしいこととずれないように指示を出しましょう。
5.アクセス解析
記事を公開した後は、一定期間ごとに分析を行いましょう。分析をしないままだと、アクセスを最大化することや、ユーザーに目的の行動を取ってもらうことができません。
アクセス解析によって、どの記事が流入を獲得できていないのか、どの記事で離脱しているのか、どれくらいの時間読まれているのかなどがわかります。解析をすることで、改善すべきポイントがわかるのです。
アクセス解析には、GoogleアナリティクスやSearchConsole、Tableauなど様々なツールが利用できます。まずは無料で利用できるもので解析しましょう。小回りの効く中小企業だからこそ、こまめに修正をしてPDCAを回すのがよいです。
中小企業がはまりがちなオウンドメディア運用の注意点
オウンドメディアを作り、運用していくなかで注意しなくてはならないことがあります。中小企業がはまりがちなオウンドメディア運用の注意点を紹介します。
自然消滅
社内でライティングをする場合や管理者にライターのマネジメントを任せる場合、中小企業では記事の投稿が停滞し、オウンドメディアの運用自体が自然消滅しやすい傾向にあります。
日常の業務と平行してオウンドメディアの運用を行う場合、リソースが不足して運用が遅れたり、止まってしまったりするのです。
中小企業が自然消滅を避けてオウンドメディアを継続的に運用していくには、全体の進行を管理する担当者を複数人作る、詳細なスケジュールをあらかじめ組んで適時進捗を確認する、毎月の公開記事数を決める、定期的にミーティングを行うなどが有効でしょう。自然消滅が起こらないように体制を整えましょう。
過度な期待
中小企業が陥りやすい状況として、すぐに大きな成果が得られると、オウンドメディアに過度な期待をしてしまうケースがあります。特に知識のない経営者や責任者の場合、このような期待を持ちがちです。
オウンドメディアでは、成果が出るのに1年以上かかる場合もあります。すぐに成果が出ると過度な期待をしてしまうと、モチベーションが下がりますし、費用対効果が合わないと上長からストップがかかる可能性もあります。
オウンドメディアの計画を作る時には、成果が出るまでのシミュレーションなどを作りましょう。上長にも、時間がかかる旨を事前に理解してもらうのがよいでしょう。
SEOへの配慮
オウンドメディアの運用で欠かせないのがSEOです。SEOは「検索エンジン最適化」のことであり、検索エンジンから評価され検索結果でよい順位に上げるために必要となります。
サイト内のタグやサイト構成などをGoogleが推奨する作り方にするなど、オウンドメディアのサイトはSEOに対応しなくてはなりません。各記事も、見出しや本文にキーワードを含める、適切なタグを利用するなどSEOに配慮した書き方をしなくてはなりません。
このように、SEOに配慮して検索結果で上位表示することが大切なのです。
中小企業のオウンドメディア活用事例4つ
ここでは、中小企業のオウンドメディアの活用事例を紹介します。
1. SATORI マーケティングブログ
SATORI株式会社が運営元の「SATORI マーケティングブログ」は、企業のWebマーケティング担当者に向けた情報を発信しているオウンドメディアです。
コンテンツマーケティングやSEO対策、メルマガなど、Webマーケティングに関する記事を公開しています。記事の最後に資料請求・リード情報入力用のフォームが設けられているなど、リード獲得までの導線がしっかりと設計されているのが特徴です。
質の高いコンテンツを発信したり、インタビュー記事を公開したりすることで、CV数を増加させ、効率的なリードナーチャリングを実現しています。
2. YOURMYSTAR STYLE
ユアマイスター株式会社が運営する「YOURMYSTAR STYLE」は、掃除や洗濯、修理など生活に役立つ情報を発信しているBtoC向けのオウンドメディアです。わずか1年でPVを3倍に伸ばし、1,300万PVの獲得に成功しています。
カテゴリが細かく分けられており、必要な情報を探しやすいページ設計が特徴です。記事はユーザー目線で作成されており、ニーズにあったコンテンツになっています。
CVまでの導線もしっかりと考慮されているだけでなく、ニーズ別にCVを使い分けることで、ユーザーにアクションを起こしてもらいやすくなる工夫が施されています。
3. ナイルのかだん
「ナイルのかだん」とは、ナイル株式会社が展開する採用オウンドメディアです。実際に働いている社員の様子や事業内容、組織体制に関する情報を発信しています。
オウンドメディアから採用サイトへアクセスを促すように設計されています。
2018年にオウンドメディアをリリースしてから、翌年、翌々年と100名近くの採用実績数を記録。オウンドメディアによって企業の雰囲気が伝わりやすくなったことで、ミスマッチ防止にも繋がっていると実感しているそうです。
4. THE BAKE MAGAZINE
「THE BAKE MAGAZINE」は、チーズタルトで有名な株式会社BAKEが運営するオウンドメディアです。ブランドやスイーツに関する最新情報やお役立ち情報、ビジネス情報などを中心に発信しています。
初回に公開した記事で20,000PVを獲得するなど、オウンドメディアによる成果を実感しているようです。
さらに、スイーツに関する情報を軸にしながらも、ビジネス関係者に向けてテクノロジーやデザインに関する情報を提供することで、あらゆるユーザー層の興味・関心を高めています。
まとめ:オウンドメディアを運営して自社のビジネスを加速させよう
オウンドメディアは、中小企業の集客にも効果があるマーケティング施策といえます。低コストでスピーディーに開始できるだけでなく、自社をブランディングして他社と差別化ができますし、顧客を育てることもできます。
オウンドメディアを制作・運用するには、CMSの設置やキーワード選定、ライティングルール作成など、様々なノウハウが必要になります。オウンドメディアの始め方がよく分からない企業やオウンドメディアの運営経験がない企業は、外注したり、専門の会社にサポートしてもらうのがよいでしょう。
NoSHAPEでは、オウンドメディアの運営代行やコンテンツマーケティング支援を行っており、多くの企業のオウンドメディアの制作、運用代行を実施してきました。Googleから評価されるSEO設計や上位表示するためのライティング、成果を最大化する分析改善をリーズナブルな価格で提供できますので、お気軽にご相談ください。
株式会社NoSHAPE
当社には、代表の鬼石を筆頭にBtoBマーケティングに精通したディレクターたちが在籍しております。代表の鬼石はKAIZEN PLATFORM出身。BtoBマーケティングのコンサルタントを10社以上手がけ、成功に導いております。
お客様とユーザーから信頼される存在であり続けるため、結果にこだわり活動します。マーケティングを元に広告・SEO・オウンドメディア・EC運用・Webサイト制作など、幅広く手厚い体制でお客様をフルサポートいたします。