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オウンドメディアの作り方とは?戦略設計からサイト設計、CMS選定まで解説

株式会社NoSHAPE

オウンドメディアの作り方

オウンドメディアは集客やコンバージョンの獲得、ブランディングなどに役立てられます。価値あるコンテンツを提供することで顧客接点を作り出し、企業やブランドの見込み顧客を増やすことができるのです。

ただし、効果を発揮するオウンドメディアを作るには専門的な知識やノウハウが必要になります。自社でオウンドメディアを作ろうと思っても、「どんな流れでサイトを構築すればいいのか?」「どのように設計すべきなのか?」などわからない方も多いと思います。

そこでこの記事では、オウンドメディアの作り方を段階に分けて詳しく解説します。戦略の作り方やCMSの選び方についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

オウンドメディアの作り方:準備編

オウンドメディアを立ち上げる前には準備が必要です。

すぐに制作に取り掛かるのでなく、制作に取り掛かる前に戦略や企画をまとめ、設計をしておくことでスムーズに制作を進められますし、成果の出るオウンドメディアを作ることができます。

1.目的を明確にする

まずは何のためにオウンドメディアを作るのか、目的を明確にします。目的が明確でなくては、メディアのコンセプトや方針を定められません。目的があることでゴールを達成するのに何が足りないのかがわかります。さらに、関係者や社内の認識を統一することができ、よりよいオウンドメディアを作ることができます。

企業の課題は業界、企業規模、BtoBやBtoC、事業フェーズなどによって異なるので、目的も企業によって異なってきます。例えば、オウンドメディアの目的には以下のようなものがあります。

  • 新規リードの獲得
  • ブランディング
  • 顧客ロイヤリティの向上
  • 人材の採用、求人
  • 広告費の削減、収益化

これらのなかでひとつだけが目的になるのでなく、複数が目的とされることもあります。

オウンドメディアは効果が出るまでに時間がかかる傾向にあります。目的を明確にすることで、それまでの長期的な戦略を作れるようになります。

2.市場調査

次に市場調査を行いましょう。自社が作ろうとしているオウンドメディアの市場ニーズや競合メディアなどを調査します。

そもそもメディアの需要があるのか、どれくらいのユーザーが見込めるのか、競合メディアがどれだけいてどのような情報を提供しているのかなどを調査します。

それらを分析することで、市場で勝てるか、マネタイズができるか、黒字化するためには何が必要かを知ることができます。市場調査には様々な方法がありますが、以下のような調査をするのがよいでしょう。

  • 競合メディアで発信されているコンテンツの分析
  • 競合メディアが流入を得ているキーワードの分析
  • サジェストキーワード分析
  • SNS上のユーザー調査
  • 営業担当者、業界関係者、消費者へのヒアリング

WebメディアだけではなくTVや紙媒体などのマスメディアも含めて調査し、それぞれどのような切り口で発信しているのかチェックしましょう。

分析には、キーワードプランナーやGoogleトレンド、ログ解析ツールなどを用いるのがよいでしょう。消費者にアンケートやインタビューを行うのもよいでしょう。これらの市場調査を総合的に判断し、ゴールを達成できそうなら次のステップに進みます。

3.ターゲット設定

オウンドメディアを作るときには、読者となるターゲットの設定が重要です。

オウンドメディアは読者に読んでもらえなければ意味がありません。読者のいないメディアはその存在価値がないですし、読者が継続して読んでくれ、アクションを起こしてくれなければゴールを達成できないでしょう。だからこそ、ターゲットユーザーがどのような情報を求めているのかを知る必要があるのです。

ターゲットの年齢層や性別、ライフスタイルなどを設定し、そのユーザーがどのような情報を求めているのかを分析します。その際には、ターゲットの具体的な人物像であるペルソナを設定してもよいでしょう。

ペルソナとは、客観的なデータを元に、名前・趣味嗜好・生活様式・価値観・交友関係といった粒度で架空のユーザー像を設定したものです。ペルソナを設定することで、ユーザーの抱える課題や問題をより深く理解でき、よりユーザーに刺さるコンテンツを作れるようになります。メンバー間で共通認識を持ちやすくなる点もメリットです。

4.メディアのコンセプトを設定

競合や市場、ターゲットがわかったら、いよいよメディアのコンセプトを決めていきます。メディアコンセプトとは、メディアが目指す方向性を示すテーマのことです。メディアコンセプトがあることで、ユーザーはどのようなメディアなのかがひと目でわかりますし、自分に必要かを判断できます。

例えば、株式会社ベーシックが運営するOneTipでは「BtoBマーケティングの成功のヒントとなるメディア」、サイボウズ株式会社のサイボウズ式では「新しい価値を生み出すチームのメディア」がコンセプトです。

また、コンセプトを定めることで、どのような記事が必要か、どのような趣旨の記事を作るべきか、どのような訴求をすべきかもわかります。

5.マネタイズ方針決定

オウンドメディアの運用には費用がかかるので、マネタイズは重要です。メディアを作る前にマネタイズの計画を考えておきましょう。オウンドメディアをマネタイズするには、以下のような方法があります。

  • 広告
  • 自社サービス販売
  • 有料コンテンツへの誘導
  • サブスクリプション

マネタイズをどうするかで、メディアの運営方針が変わってきます。広告を活用するのであれば記事を読むユーザーの数を集める必要になりますし、自社サービス販売を行うのであれば、不特定多数のユーザーを得るのではなくニーズが顕在化したユーザーをピンポイントで集めることが大事になります。

オウンドメディアのマネタイズについては以下の記事で解説しています。

オウンドメディアをマネタイズする戦略と手法を解説!成功事例も4つ紹介

6.KGI、KPI設定

次に、マネタイズも含めて、オウンドメディアで達成する具体的な目標数値を設定します。これがKGIです。

KGIの達成度を測る指標がKPIであり、これは重要業績評価指標という意味です。KPIを設定することで、どれくらい達成できているか、当初計画した通りに進められているか、目標達成に向けてどうアクションすべきかを知ることができます。

例えば、広告からの成約数がKGIであれば、PV数や広告からの問い合わせ数がKPIとなります。PV数や問い合わせ数を増やすような施策を行わなくてはなりませんし、どれくらいの数を得れば目標達成ができるかがわかります。

KGI、KPIを設定し、どうすれば達成できるかを考えましょう。

7.制作体制決定

オウンドメディアを自社で作成するか、外部の制作会社に依頼するかなどの制作体制を決めます。内製ならデザイナーやプログラマー、外注ならやりとりの窓口となる担当者が必要になります。また、オウンドメディアを作ったあとにコンテンツを作成し運用していくための編集者やライターなどの体制も決めていきます。

自社運用では人材を確保する必要がありますが、関係者が社内にいるので意思疎通が図りやすく、細かいやり取りがスムーズにできます。自社の商品やサービスに精通している社員がコンテンツ作成に関わるため、企業のポリシーを反映したコンテンツを作ることができます。

外注では、委託費がかかりますがオウンドメディアの制作・運用実績やノウハウを持っている制作会社に依頼することができるので、高い品質のメディアを作ることができますし、より早く確実に成果を出すことができます。デザイナーやプログラマー、ライターの確保には手間も費用もかかりますがそういったコストがなくなります。

自社にオウンドメディアの制作・運用実績がないなら、立ち上げから初期の運用フェーズまでを外注して、徐々に内製化するなどの方法もあります。

8.予算獲得

オウンドメディアを制作・運用していくには費用が必要になるので、予算を獲得しましょう。ここまで考えてきた目的・市場・ターゲット・コンセプト・マネタイズなどの情報をまとめて企画書を作成しましょう。企画書には、必要な予算や収支計画も記載しておきます。

社内でプレゼンを行い、問題がなければ上長承認や社内稟議を経て予算案を確定します。その後、サイト制作やコンテンツ作成など外部パートナーに見積もりを依頼します。

オウンドメディアの作り方:Webサイト構築編

オウンドメディアの作り方:Webサイト構築編

制作前の準備が終わったら、オウンドメディアサイトを構築していきます。オウンドメディアは基本的に以下の流れで制作します。

1.サイト構成作成

まず、サイト構成を作成します。サイト構成とは、どのようなカテゴリ、ページを作るかという設計図のようなものです。構成を作ることで、サイト内のカテゴリの階層構造がわかるようになりますし、どのようなページが必要かがわかるようになります。

こういったサイト構成は、ターゲットユーザーがどのような情報を求めているか、どのようなカテゴリに分類することでテーマが理解しやすいかをもとに考えましょう。

また、サイト内のメニューや機能などもまとめておくのがよいです。どのようにユーザーを遷移させるかのイメージをしながら考えましょう。サイト名などもこの段階で考えておくことで、テーマがわかるのでカテゴリなどが考えやすくなります。

2.システム選定

オウンドメディアでは記事コンテンツを頻繁に投稿することになるので、簡単に投稿・管理ができるシステムが必要です。そのためのシステムには、CMS(コンテンツマネジメントシステム)やSaaSがあります。

CMSとはWebサイトを一元管理・更新できるツールのことです。コンテンツを投稿・管理するための機能がすべてパックになっています。関連記事機能、SNS連携、定期レポートなど様々な機能がまとまっています。ただ、自社でサーバーを立て、デザインを自分で行う必要があります。代表的なCMSとしてはWordPressやJoomlaなどがあります。

SaaSとは、CMSと同じようにWebサイトを作るための機能がまとまっているサービスです。デザインや機能などは初めから用意されており、管理画面上で選択するだけでサイトを作ることができます。サーバーの準備やセキュリティ対策、システムアップデートなどを運営元が行ってくれるので、CMSのようにサーバーを立ててデザインを自分で行う必要がありません。

ただ、特定の機能を使いたい場合には有料版を使わなくてはならないなど、一部機能が制限されていたりします。代表的なものには、WixやJimdo、Ameba Owndなどがあります。自社のリソースや運用体制などを踏まえて、これらからサイト制作・管理システムを選びましょう。

オウンドメディアを作るためのCMSやSaaSについては以下で詳しく解説しています。

オウンドメディア向けのCMSを11選でご紹介!選ぶときのポイントも解説します

CMS例

多くのCMSがあるので、代表的なものをその特徴とともに一覧にします。

CMS名 概要
WordPress
(ワードプレス)
オープンソースのCMSであり、世界中のエンジニアによって開発されている。無料で利用できる。オウンドメディアに特化したテーマもあり、小規模・大規模問わず様々な企業で利用されている。
Joomla
(ジュームラ)
海外で人気のオープンソースCMS。セキュリティ面の信頼度が高く、世界中の3,000を超える政府関連サイトで利用されている。無料で利用できる。
Movable Type
(ムーバブルタイプ)
国内50,000以上のサイトに導入されている日本製のCMS。静的にページを生成する。ライセンス料が必要。
CREAM
(クリーム)
記事コンテンツの作成やSEO対策に特化したCMS。直感的な操作で簡単に記事を作成できる。SEO対策機能に優れている。月額費用が必要。
BlueMonkey Knowus
(ブルーモンキーノウアス)
中小企業向けの国産CMS。オウンドメディアに必要な機能が揃っており、チームでの運用が便利になる機能を搭載。月額費用が必要。
Clipkit
(クリップキット)
オウンドメディアや記事制作に特化した国産CMS。記事内で多様な表現ができる。開発・運用・サポート・保守までサービスが充実。月額費用が必要。
Drupal
(ドルーパル)
オープンソースのCMS。構築の難易度は高いが、拡張性、カスタマイズ性がある。無料で利用できる。

SaaS例

オウンドメディアに利用できるSaaSの代表的なものをその特徴とともに一覧にします。

SaaS名 概要
はてなブログMedia 「はてなブログ」の使用感のままオウンドメディアを運用できるサービス。メディア運営に特化。月額70,000円から。
Ameba Ownd
(アメーバ オウンド)
Webサイトの作成から運用まで行えるクラウド型サービス。ブログ機能で簡単に記事コンテンツを作成できる。SNS連携機能も充実。無料版あり、有料版は月額960円から。
ferret One
(フェレットワン)
BtoBマーケティングに特化したサービス。マーケティングを成功に導く制作や運用のサポートも受けられる。月額100,000円から。

オウンドメディア向けのCMSやSaaSに関しては以下でまとめています。

オウンドメディア向けのCMSを11選でご紹介!選ぶときのポイントも解説します

3.デザイン・サイト制作

オウンドメディアのコンテンツを管理するシステムやサービスを選定したら、デザインやサイト制作を進めていきます。メディアのデザインを考えるときには、ひと目でコンセプトやテーマが理解できるものにしましょう。また、メディアを訪れたユーザーが興味を惹かれるようなデザインにするのも重要です。デザインにおいては、使いやすいUIや動線を意識しましょう。

デザインが決まったら、コーディングを行ってWebサイトとして利用できるようにします。オウンドメディアで必要な、会員機能や関連記事表示、広告、SNSシェア機能なども実装していきます。

オウンドメディアの作り方:コンテンツ作成編

サイト構築が完了したら、コンテンツを作成し掲載していきます。オウンドメディアはメディア媒体ですので、記事コンテンツが何より重要になります。

1.検索キーワード選定

オウンドメディアでは、検索エンジンなどでの自然検索から流入を集めることになります。ですので、どのようなキーワードで検索したときに記事を表示するかというキーワードを選定しなくてはなりません。

検索キーワードを調査する際には、どのようなキーワードがあるか、どれくらいの検索ボリュームがあるかなどを調べます。調査をする際には、サジェストキーワードや競合サイトがアクセスを得ているキーワードを調べましょう。Googleが提供するキーワードプランナーやサジェストキーワードツールなどを利用すると便利です。

調査したキーワードのなかからどのキーワードを優先するかは、自社のゴールや成約につながるニーズの高い顕在ユーザーからアプローチするのがよいでしょう。

2.ライティングルール作成

キーワードが決まったら、そのキーワードがテーマの記事を書いていくことになりますが、その際にはライティングルールを作っておきましょう。ルールを作っておくことで、ライターごとのブレをなくすことができます。ライティングルールでは以下のようなものを定めておきましょう。

  • ターゲットやプロジェクトの背景
  • 訴求するサービス
  • 記事の目的
  • 文体やトンマナ
  • 文字数
  • アウトライン
  • NGワード
  • 引用ルール

これらを細かく設定することで、イメージ通りの記事を作成できるとともに、ライターごとの文体のばらつきを防ぎ、コンテンツの品質を安定させられます。

3.記事コンテンツ作成

ライティングルールを元に、オウンドメディアに掲載するコンテンツを作っていきます。最初に構成を作成し記事のおおまかな流れや各章の内容を固めます。その後ライティングを進めていきます。原稿が完成したら、以下のようなポイントをチェックしましょう。

  • ライティングルールに則っているか
  • HTMLタグのルールに沿っているか
  • 結論ファーストになっているか
  • ユーザーの悩みを解決できているか
  • 一文が長すぎないか
  • 信頼できる裏付けがあるか
  • 独自性が含まれているか
  • 他サイトをコピーしていないか

画像があったほうがわかりやすい箇所には画像を追加しましょう。記事を公開したあとには、SNSやメルマガなどで周知して拡散を促しましょう。記事公開後は、キーワードでの順位を計測したり、計画通りの行動をユーザーが取っているかを分析したりして、リライトなどを行っていきましょう。

オウンドメディアを作るときに重要なSEO

オウンドメディアを作るときには、記事の内容はもちろんのこと、SEOが重要になります
。メディアサイトを作りコンテンツを作っても、SEOができていないとアクセスが得られないということになってしまいます。

SEOでは、Webサイト内部のタグや設計をGoogleが推奨する作りにするとともに、記事もSEOに対応した作り方にします。SEOに関してGoogleが推奨している内容はGoogleのガイドラインに記載されているので確認しておきましょう。

オウンドメディア作成にかかる期間

オウンドメディアを作成して運用を始めるまでには、どれくらいの期間がかかるのでしょうか。オウンドメディア作成にかかる期間は、設計内容やサイトに求められる機能によって異なります。デザインにこだわる、ログイン機能など複雑な機能をつけるなどすると、開発に対してより時間がかかります。

あくまで目安となりますが、一般的な機能だけのメディアであれば通常1〜3ヵ月程度で出来上がるでしょう。様々な機能を設置し、SEOにも対応した本格的なオウンドメディアを立ち上げるなら、3ヵ月以上はかかると考えておくとよいでしょう。

まとめ:オウンドメディアの作り方を押さえて成果を出そう

ここまで、オウンドメディアの立ち上げ準備から、サイト制作、記事コンテンツ作成などオウンドメディアの作り方について、詳しく紹介してきました。

このように、オウンドメディアをイチから作るというのは多くの作業が必要になり、時間も人手もかかってきます。もし、自社ですべてを行おうと考えている場合には注意したほうがよいでしょう。

オウンドメディア構築・運用の知識やノウハウ、リソースが自社にない場合には、専門の会社に依頼するのがおすすめです。

私たちNoSHAPEは、これまでに数多くのオウンドメディアの立ち上げや運営代行、サイト改善、リライトなどによって成果を出してきました。オウンドメディアの立ち上げや運用に不安を感じている場合は、ぜひ一度ご相談ください。

オウンドメディアの構築・運用代行ならNoSHAPEへ

株式会社NoSHAPE

当社には、代表の鬼石を筆頭にBtoBマーケティングに精通したディレクターたちが在籍しております。代表の鬼石はKAIZEN PLATFORM出身。BtoBマーケティングのコンサルタントを10社以上手がけ、成功に導いております。

お客様とユーザーから信頼される存在であり続けるため、結果にこだわり活動します。マーケティングを元に広告・SEO・オウンドメディア・EC運用・Webサイト制作など、幅広く手厚い体制でお客様をフルサポートいたします。

https://www.noshape.jp/

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