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採用サイトのコンテンツでは何を作るべき?データや事例を交えて解説
株式会社NoSHAPE
採用サイトを利用して、企業が能動的に人材を獲得する動きが高まっています。自社で採用サイトを運用してコンテンツを作成すれば、求人広告以上の情報を提供できますし、幅広い求職者に情報を届けることができます。
採用サイトに掲載するコンテンツには様々な種類があり、目的や自社の強みにあったものを掲載できるので、求職者に対して自社をよりアピールできるでしょう。
ただ、採用サイトを立ち上げたいけれど、どのようなコンテンツを掲載すれば良いのか分からないという方も多いかもしれません。
この記事では、採用サイトに必要となるコンテンツの種類と事例を紹介するとともに、成果の出る採用サイトのコンテンツの作り方を解説します。
採用サイトのコンテンツはなぜ重要?
採用サイトにおいて、コンテンツがなぜ重要なのでしょうか?
その理由としては、求職サイトはよく見られるということが言えます。いまや求職者の7割が採用サイトをチェックしているというデータがあります。求職中は忙しいですし、企業の採用の情報をより効率的に入手できるサイトはニーズが高いです。
例えば、詳細に書かれた仕事内容や社員インタビューは、具体的な勤務イメージやキャリアプランを作るのに役立ちます。また、企業の歴史や経営理念を深く理解することで、求職者の志望度向上はもちろん、双方のミスマッチ防止にもなります。
企業の公式サイトに採用情報を掲載することはできますが、こういったコーポレートサイトは本来、対顧客向けに作成された媒体です。求職者向けの情報が足りない場合や情報が更新されていないことも多く、参考にならない可能性もあります。
自社の採用戦略を強化するなら、採用サイトのコンテンツを充実させましょう。
採用サイトで求職者が知りたい情報とは?
では、採用サイトにおいて求職者が知りたい情報とは何なのでしょうか?ここでは、採用サイトのコンテンツとして掲載すべき情報を解説します。
エン人事のミカタのアンケートによると、転職活動者が求めている情報は下記のようになっています。
事業・サービスの情報
求職者が会社情報の収集を行う際、その66.2%が事業やサービスの情報に注目しています。自分が働く企業の将来性や安定性、収益性はもちろん、自分がどのように貢献できるのかを知りたいのです。
採用サイトに事業・サービスの情報を掲載するときは、意欲的な求職者に向けて、売上高だけでなく企業の財務体質や収益性も掲載するのがよいかもしれません。具体的な数値や写真、グラフ、インフォグラフィックスなどを交えて、将来性や安定性が伝わるよう工夫しましょう。
事業やサービスの情報を掲載するときには、専門用語や業界用語を使い過ぎないよう注意すべきです。求職者は業界未経験者が多く、難しい内容や専門用語などは理解できないです。こういった用語を使ってしまうと、事業内容が伝わりにくいかもしれません。
社風
求職者の57.9%が、採用サイトで社風についての情報を収集したいと考えています。体育会系なのか、自由主義なのか、風通しがいいのかなどの社風は、求職者にとって重要度が高いようです。
社風は自分に合う合わないがありますし、社風が合っていないと入社後に退職してしまう可能性があるので企業にとっても重要です。自社の社風がわかるように情報を掲載しておきましょう。
コンテンツ例としては、実際の企業の雰囲気が伝わるよう仕事現場の日常風景やイベント、ランチタイム、ミーティングの様子、経営者や上長の考え方などを掲載しましょう。インタビューや対談形式、動画などを利用することでも、より臨場感を持って伝えられるでしょう。
方針・経営理念
採用サイトでは、企業の方針や経営理念も重要です。
方針・経営理念を通して、求職者はこれからどのような社会を目指し、何に取り組んでいくのかというビジョンを知ることができます。それによって、よりモチベーションを高めた状態で応募することになります。
他社との差別化にもつながる要素なので、なぜそのような方針・経営理念なのか、わかりやすく説明しましょう。経営者本人が語るメッセージや顔写真なども掲載することで、より経営に対する姿勢を知ってもらうことができます。
企業情報
求職者は、従業員数や売上高、IR情報、沿革などの情報もチェックしています。どれだけの売上・利益・企業規模なのか、業績は好調なのか、将来への展望などを判断するのです。
また、企業規模によって自身の求める環境なのかを知ることもできます。求職者が大規模なプロジェクトに挑戦したいなら大規模な企業で働くでしょうし、ゼロから事業を立ち上げたい場合や現場での仕事を行いたい場合には小規模なベンチャーを選ぶでしょう。
求職者は正確かつ最新の企業情報を求めているため、採用サイトの内容は求人サイトや企業サイトと相違がないよう最新のものにしましょう。
仕事の詳細
求職者にとって、仕事の詳細はもっとも重要な情報です。仕事情報の収集を行う際には、88%の人が仕事の詳細を確認すると答えています。
仕事の詳細とは、日々の仕事内容、仕事のやりがいや難しさ、1日のスケジュール、キャリアステップ、求められるスキルなどです。これらを知ることで求職者は自分が働く際のイメージをすることができ、入社後に後悔したりギャップを感じて退社したりといった事態を減らせます。
また、職種未経験者なら未経験でもチャレンジできるのかや、キャリア採用なら自分の経歴が活かせるのかを事前に知りたいでしょう。
どんな人に向いているのかなども記載しておくのがよいです。単に仕事の情報を羅列するだけでなく、求職者がイメージできるようにわかりやすく具体的な情報提供を心がけましょう。
待遇
待遇面の情報も重要です。待遇や環境について調べるとき、80.8%もの人が給与について、66.0%が休日休暇について知りたいと思っています。給与や賞与、休日休暇、労働時間、福利厚生、教育体制、オフィス環境などについて詳しく知りたいのです。
さらには、給与や賞与の根拠や評価システム、昇給モデル、みなし残業の有無なども詳しく知りたいはずですので、しっかりと記載しておきましょう。
昨今は仕事とプライベートを両立しやすいかどうかを意識する求職者が増加しています。有給休暇や産休・育休といった基本的な福利厚生はもちろんのこと、会社独自で力を入れている働き方改革のような内容も記載することで他社との差別化ができるでしょう。
待遇に関する情報は、企業と求職者の認識に相違が生じてしまうと、大きなトラブルに発展しかねません。求職者の生活に関わる重要な情報であるため、正しい情報発信を意識しましょう。
採用サイトのコンテンツのバリエーション
ここまで求職者が知りたい情報とは何かを紹介してきましたが、採用サイトにおいてはどのようなコンテンツを作ればいいのでしょうか?ここでは、採用サイトに掲載すべきコンテンツのバリエーションを事例とともに紹介します。ぜひ、これらを参考に採用サイトを作ってみてください。
事業の意義
事業の意義とは、「企業や社員が何のためにその事業を行うのか」を、伝えるコンテンツです。事業の背景にどんな意義があるのかを理解することで、求職者にその仕事に対して共感してもらえ、より高いモチベーションで応募してもらえます。
事業の意義のコンテンツでは、耳ざわりが良く抽象的なキャッチコピーを書くのではなく、理念に基づいていて具体的なメッセージを書くのがよいでしょう。事業やプロジェクトに関わるメンバーが、どんな想いで事業に取り組み、どのような意義を感じているのかを語るのも有効です。
参考事例:京セラ株式会社「プロジェクトストーリー」
主要の4事業をピックアップして、プロジェクトストーリーを紹介しています。なぜその事業が立ち上がったのか、世の中にどう貢献しているのかなどが、ストーリー仕立てになっています。動画や製品情報、開発の流れなど、豊富な情報が魅力です。
事業の成り立ち
「事業の成り立ち」は、求職者に企業の歴史やこれまでの歩みを伝えるコンテンツです。企業年表や写真などを用いて、創業に至る経緯や、困難や成長、創業者の想いについて解説します。
事業の成り立ちを知ることで、求職者はより企業の歴史や文化、事業の価値を理解することができます。また、企業に対してより愛着や共感を感じることで、応募へのモチベーションを高められるかもしれません。
参考事例:関西ペイント株式会社「関西ペイント100年の歩み」
1918年の創立から、グローバルカンパニーに成長するまでの軌跡を紹介しています。創業者の精神や時代背景、事業展開の様子、開発した製品などを、創業期・戦後・成長期、海外進出期、グローバル化加速期に分け、年表でわかりやすく説明。豊富な写真を用いて製品や会社の様子を紹介し、求職者が今日までのストーリーを簡単に理解できるように作られています。
職種紹介
職種紹介は、企業にどんな職種が存在するのか、どんな仕事内容なのか、どういった役割を担っているのかを伝えるコンテンツです。求職者は自分が関心のある職種があるかを見ることができますし、すでに就きたい職種がある場合には働いた際のイメージをすることができます。新卒、職種未経験、転職などターゲットによって求めている情報の深さ、内容は異なるので、それぞれに合わせてコンテンツを作りましょう。
住友林業株式会社の事例
職種ごと(建築技術職や事務企画職など)の専用ページを設けています。知識がなくてもわかるように簡単に説明されています。その職種の社員のインタビューを掲載することで、日々の仕事内容ややりがい、大変だったことなどがわかります。メンバーの様子や会社の雰囲気、プロジェクトの数や進め方などもイメージできます。
社員紹介
社員紹介は、入社したらどんな人と働くのか、どんな職場なのかを求職者にイメージしてもらうためのコンテンツです。
求職者は社員紹介コンテンツを見ることで先輩社員の人柄や職場の雰囲気、未経験や中途でも活躍できるかなどを知ることができます。さらに、事前に顔が見れることで安心感を与えることができ、親近感を持ってもらうことができます。
募集職種の社員を人選し、入社の経緯や今の仕事内容、失敗を乗り越えた経験、キャリアプラン、応募者に伝えたいメッセージなどを掲載しましょう。
日清食品株式会社
日清食品では、様々な職種の社員にインタビューを行い、1人ひとりを豊富なボリュームで紹介しています。入社から現在に至るまでの仕事内容、成功体験や失敗体験などが語られており、何より社員の熱い想いが伝わるコンテンツです。キャリアの変遷が時系列でわかりやすく掲載されているのもポイントです。
イベント紹介
イベント紹介は、研修や懇親会、社員旅行、歓送迎会、納会、ランチ会、バーベキューなどのイベントを紹介するコンテンツです。求職者は、社風やコミュニケーションの取りやすさ、社員同士の仲の良さ、社員への企業の支援体制などを知ることができます。コンテンツを作るときには写真や動画などを利用すると、より雰囲気を伝えることができます。
株式会社日本コンピュータ開発
日々の業務以外にどんな取り組みを実施しているのか、1年の流れが集約されています。各イベントの目的と、どういった成果が得られたのかわかりやすく解説されています。
代表メッセージ
代表メッセージは、企業のトップが社員に対して会社の進む未来像を示すコンテンツです。この代表メッセージから、求職者は自分の入る会社が向かう方向や将来を知ることができます。また、経営者の人柄や想いを知ることもできます。
なぜ事業を行うのか、社会にどんな価値を提供したいのか、会社はどこに向かうのかを掲載しましょう。
株式会社船井総合研究所
代表自らが業界の動向、企業の存在意義、展望、社員に求めることを語っています。情報量は多いですが、「ミッション」「ビジョン」「コアバリュー」を大きく見出しにすることで、未来像を端的に表現しています。
経営理念
経営理念は、企業がどんな方針でどこに向かって事業を行うのかを説明するコンテンツです。企業によっては社是、社訓、フィロソフィーなどとも言われます。
経営理念を見ることで、求職者は会社が重視していることを知れますし、理念に賛同する場合には応募への意欲が高まります。企業としても、自社の理念に共感する人材を得られます。
株式会社Mizkan
Mizkanの経営理念コンテンツでは、ミッション・ビジョン・バリューの3本柱で内容をまとめています。難しくなりがちな部分を、わかりやすくかみ砕いて説明しているので、求職者に理解されやすく、共感されやすい内容になっています。キャッチコピーで端的に伝えているのもポイントです。
企業情報
企業情報は、創業年や所在地、事業内容、資本金、社員数、業績などの会社概要を求職者に伝えるコンテンツです。
企業情報を記載しておくことで信頼感を与えるとともに、企業の規模感を示すことができます。内容が曖昧だと悪印象を与えてしまうため、詳細な情報まで記載しましょう。また、最新の情報であるとアピールするため、社員数や業績などはいつのものかを表示しておきましょう。
株式会社講談社
必要な情報が1ページに集約されています。会社概要だけでなく、待遇や勤務制度、教育制度や福利厚生、文化事業、障がいのある方への情報まで掲載されています。最下部には企業紹介の動画コンテンツが用意されており、企業情報をより簡単に理解してもらえる工夫がされています。
社員インタビュー
社員インタビューは、職場で働くスタッフのリアルな意見や感想を知ってもらえるコンテンツです。社員が実際に語ることで、より説得力を持たせることができます。求職者はインタビューを読むことで先輩社員の体験や思考を知れ、入社前と入社後のギャップを減らせますし、仕事のやりがいなども知ることができます。
性別や年齢、職種ごとの求職者のニーズに応えるためにも、多くの社員を掲載するのがよいでしょう。
株式会社NTTドコモ
現在の仕事内容ややりがい、これまでの挑戦、チャレンジしたいこと、ドコモを志望した理由、学生へのメッセージを掲載しています。実際に社員が話している写真を多く掲載しており、より親近感を持って知ることができます。オフの過ごし方やタイムスケジュールなども詳しく記載されています。
社員の1日密着
社員の1日密着は、社員がどんなスケジュールで仕事をしているのか、どのような1日を過ごしているのかを伝えるコンテンツです。起床から出社、退社までの仕事内容や休憩時間、ランチタイムなどを説明します。
時間ごとに時系列で説明することで、1日にどんな仕事をしているのかやそれぞれの業務の内容がよりイメージできます。リモートワークや家庭との両立、仕事終わりのプライベートなどに触れても良いでしょう。
ダイハツ工業株式会社
出社からの1日の業務を写真とともに詳しく説明しています。なぜその業務が必要なのか、どんなことをしているのか、何に注意しているのかなどが社員の口から語られています。在宅勤務のとらえ方やポジティブな感想なども掲載されています。
座談会
座談会とは、複数のスタッフを集めて語り合う様子を掲載するコンテンツです。社員がどのように感じているかなど率直な意見を知れるのがメリットです。社員同士でどのようなコミュニケーションが行われているかもわかります。人数が多すぎると読みにくくなるため、3~5人の会話をバランスよく掲載しましょう。
また、求職者と社員の座談会などを行い、その内容を掲載するのもよいでしょう。
三井物産スチール株式会社
若手座談会を掲載する企業が多いなか、三井物産スチール株式会社では、各世代の社員とキャリア、社長と中堅社員など、珍しい組み合わせの座談会のテーマを設けています。それぞれが考えていることや感じたことを正直に語り合っており、年齢やキャリアによらず意見を肯定する社風が表現されています。
待遇面の情報
待遇面の情報は、給与や賞与、休日、福利厚生などの情報のことです。こういった待遇面は、やはり求職者が気にするところです。なるべく詳しく掲載しましょう。昇給のペースや条件、年齢ごとの平均給与などを書くことで、将来の収入をより具体的にイメージできます。
さらに、リモートワークや独自の休暇制度、育児との両立施策など、働くスタイルの多様化に企業としてどう対応しているのか、そのための環境づくりなどについて掲載するのもよいでしょう。
株式会社リクルート
福利厚生について詳しく解説したコンテンツです。新しい働き方に対する取り組み、特別休暇、育児との両立施策など豊富な福利厚生を詳しく解説。求職者に対して自社の魅力を伝えています。さらに、リモートワークの状況や社内の平均値、休暇の取得率なども図表とともにわかりやすく掲載されています。
採用サイトのコンテンツ作りで大事なこと
採用サイトのコンテンツのバリエーションがわかったら、あとはコンテンツを作るだけですが、その際には気を付けなくてはならないことがあります。
ここでは、成果の出る採用サイトのコンテンツを作成する上で抑えておきたいポイントを紹介します。
求職者目線のコンテンツに
採用サイトでは、求職者目線でコンテンツを作成することが重要です。
企業目線ではメリットがあるだろうと思える情報も、求職者が知りたい情報と異なる可能性があります。求職者が本当に知りたい情報、求職者目線での自社の魅力を伝えるようにしましょう。
例えば、ビジョンを語るにしても漠然とした表現ばかりでは求職者は理解できないかもしれません。求職者が容易にイメージできる言葉に変換しましょう。また、概念的な言葉ばかりでなく、求職者の知りたい情報である業務や意義についてより具体的なコンテンツを作るのがよいでしょう。
十分な情報量を
採用サイトだからといって情報量が少ないのは問題です。求職者は様々な企業と比較しますので、採用サイトでより自社の魅力をアピールしなくてはなりません。
大手企業などブランドのある企業であれば求職者は集まるかもしれませんが、そうでない場合には自社の魅力を十分に説明しなくてはなりません。自社のことを知らない人や自社に興味はあるが迷っている人などに応募してもらうためにも、あらゆる視点から魅力をアピールしましょう。
その際には、自社独自の強みに関する情報をまとめたり、社内の協力を仰いでインタビューをさせてもらうなどして十分なコンテンツを作りましょう。
まとめ:求職者のニーズに答えるコンテンツを
採用サイトは、現代では採用において必須のツールです。採用サイトを利用することで応募者を増やせますし、企業と求職者のミスマッチを減らすことができます。
ただし、採用コンテンツから成果を得るには、求職者のニーズに答えるものではなくてはなりません。求職者がどんな情報を求めているのかを知り、採用のターゲットが求めるコンテンツを作成する必要があります。
私たちNoSHAPEは、これまでに採用サイトの立ち上げやオウンドメディアの運営代行、サイト改善、コンテンツマーケティング支援などを行ってきました。採用サイトへのアクセス数やエントリー数を増やし、成功に導くためのノウハウを持っています。
採用サイトの立ち上げや運用に不安を感じている場合は、ぜひ一度ご相談ください。
株式会社NoSHAPE
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