BLOG ブログ

<静岡県菊川市 × 塚田農場>エー・ピーホールディングス野本代表インタビュー【NoSHAPE初の自治体活性化支援】

株式会社NoSHAPE

株式会社エー・ピーホールディングスが運営する「塚田農場」は、2022年8月に15周年を迎えました。それを記念し、2022年11月より6ヶ月連続で、塚田農場十五周年祭を開催。その第5弾「塚田農場 全国のおいしいもの発掘プロジェクト【第1幕】」では、NoSHAPE代表・鬼石真裕が営業戦略アドバイザーを務める静岡県菊川市とコラボレーションし、菊川市の特産品を使った新メニューを提供しています。

今回は、株式会社エー・ピーホールディングス代表取締役 社長執行役員 CEOの野本周作さんに、このプロジェクトの成功のポイントと自治体と企業との連携のあり方についてお聞きしました。

早速ですが、塚田農場の事業について教えてください

野本周作さん(以下、野本):塚田農場には「宮崎県日南市(日向市)塚田農場」「鹿児島県霧島市塚田農場」などの屋号があり、地鶏の品種と産地を表しています。

そもそも塚田農場は、みやざき地頭鶏(じとっこ)という地鶏のおいしさに惚れ込んだことが出発点。自分たちで育てて料理を提供するという生販直結モデルを通じて、おいしい地鶏を、高品質かつリーズナブルに提供しています。みやざき地頭鶏の産地である宮崎県日南市を屋号に取り入れました。

同じように、2012年に宮崎県のお隣の鹿児島県で誕生したばかりの黒さつま鶏に出会い、鹿児島県霧島市に自社(当時)養鶏場を建設したため、別の屋号が誕生しました。

「宮崎県日南市(日向市)塚田農場」「鹿児島県霧島市塚田農場」のいずれのブランドも、九州料理を提供しています。

野本:日南市で育てたみやざき地頭鶏を提供するなら、宮崎県の郷土料理も一緒に提供しよう、そのために地元の食材や焼酎への理解を深めていきました。

多くの農家さんとの出会いを通じて、「うちの野菜を使ってほしい」「あの農家が作ってる野菜がおいしいよ」と新たな食材や生産者さんを紹介していただき、地域食材の深掘りにつながっているんです。

鬼石真裕(以下:鬼石):今回の菊川市とのプロジェクトでも、食材をよく深く知るために足を運んでくださいました。

塚田農場に行けば、宮崎県や鹿児島県のおいしいものに出会えますね。

野本:その土地で作られている素晴らしい食材を探し出し、おいしい料理に転換してお客様にお届けできるのが、塚田農場の最大の強みです。

2022年8月に塚田農場は15周年を迎え、11月から毎月キャンペーンを実施しています。その第5弾が「塚田農場 全国のおいしいもの発掘プロジェクト【第1幕】」です。

野本:15周年を迎えるにあたりいくつかのキャンペーンを打ち出す予定があったのですが、そのうちのひとつとして「全国のおいしいもの発掘プロジェクト」は絶対にすべきだと考えていました。

その土地に根ざしたおいしいものを掘り起こして大都市圏に届けるという塚田農場のビジネスモデルは、ほかの地域でも同様に活かせると確信していたからです。

鬼石:静岡県菊川市のような知名度がさほど高くない街の食材を、よくここまでのカタチにしてくれたと感激しました。

野本:今回は、お茶をはじめ、芽キャベツ・トマト・新タマネギ・ブロッコリー・イチゴの6つの食材を使って、商品開発を行いました。手前味噌ですが、「うちの商品開発、すごいな!」と素直に思いました。どれも自信作です。

鬼石:塚田農場に連れて行く人みんなが、大絶賛です。僕自身、塚田農場に行けばおいしいものを食べられることを知っていましたが、質の高さを改めて認識しました。

食材のリサーチと商品開発に8ヶ月を要したそうですね。

野本:通常ですと、肉や魚のようなメインディッシュとなり得る食材の新しい仕入れ先を開拓しながら、その地域で作られる野菜やお酒などの飲料を探します。中長期、または永続的に続いていく関係性の始まりですから、地域に足を運んで情報を蓄積していきます。

今回は自治体と連携することが先に決まったため、塚田農場側では菊川市に関する知見がまったくない状態でスタートしました。

弊社には、その土地が持っている魅力を引き出して料理を提供できるという強みがあるとはいえ、見ず知らずの自治体と連携し、これだ!という食材を探し当て、新しい料理を生み出すというのは、すごく大変なことだと思い知りました。特に大変だったのが、自治体との関係性を築くことでした。

その過程で頼りにしたのが、菊川市の戦略アドバイザーである鬼石さんでした。弊社との仲を取り持ち、橋渡ししてくれたので、比較的スムーズに進められたと実感しています。

そもそも今回、タッグを組む相手に菊川市を選んだのはなぜでしょう?

野本:「塚田農場 全国のおいしいもの発掘プロジェクト【第1幕】」は、2022年の年明けから温めていたキャンペーンです。実現を考え始めたのと同じ時期に、鬼石さんが菊川市の戦略アドバイザーに就任するという情報に触れ、「うちと何かやりませんか?」と連絡したのがきっかけでスタートしました。

鬼石:就任のリリースにて、菊川市が深蒸し茶の発祥地であることに触れていたのもポイントになったようですね。

野本:プロジェクトを成功に導くには、どの自治体とタッグを組むかが非常に重要だと考えました。そして、選考で重視したポイントは大きく3つありました。1つ目は、柱となる食材があることです。

菊川市の食材で柱になったのは?

▲美緑園さんの芽キャベツ 茶葉塩揚げ

野本:まさに「深蒸し茶」なんです。鬼石さんから発祥の地とお聞きして、これはイケると確信しました。

お客様が「ああそうなんだ!」と思える食材があることは、キャンペーンを実施するにあたって必須です。菊川の深蒸し茶を使ったドリンクメニューは、話題性がありますよね。

2つ目は本気で取り組む首長さんがいることです。

自治体の職員の方々ではなく、市長さんが本気であることが重要なんですね。

野本:かつて塚田農場には30ページ超からなる写真や食材のストーリーがふんだんに載ったメニューブックがありました。過去には、鹿児島県知事や日南市長にご登場いただいたことがあり、そのインパクトの大きさは計り知れないものがありました。知事も市長も僕らをすごく応援してくださいましたし、彼らの本気で取り組む姿勢が、僕らの大きな原動力にもなりました

この過去の経験から、本気で取り組んでくださる市長さんがいる市と組みたいと考えていました。

3つ目は、僕らと同じ感覚で話をできる人がいること。この3つをクリアしているのが菊川市でした。

同じ感覚で話ができる人とは、どのような人を指しますか?

野本:自治体に限らず、他の組織とプロジェクトを進めるときに最も懸念するのは、お互いのやり方を理解できるかどうか。その観点から、プロジェクトの進め方やマーケティングなどについて、同じ感覚で話ができる人が相手側、今回で言うところの自治体側にいるかどうかを何よりも重視していました。

その点、マーケティングを知り尽くしている鬼石さんが戦略アドバイザーとして存在している菊川市とならスムーズに進められるのではないかと考え、オファーしました。

NoSHAPEはどのような役割を担ったのでしょうか?

野本:今回は新しい取り組みとして、首都圏に暮らす菊川市出身者にアプローチしたいと菊川市側が考えていましたが、過去の経験から、出身者にアプローチするというマーケティング活動をしたことがない我々と自治体とが会話してもなかなか前へ進めないことを知っていました。

だからこそ、デジタルマーケティングの知見を持ち、プラットフォームを持っているNoSHAPEが伴走してくれたことは、とても心強かったです。プロジェクトマネージャーがマーケティングを担う会社を持っていることは、とても機動的ですね。スムーズに進められました。

エー・ピーホールディングスの社内にはクリエイティブやPR、マーケティングなど多くの部門がありいずれも自走できていますが、このあたりの部門がない、あるいは得意ではない企業の場合、NoSHAPEのような機動力のある企業に全面的に安心してお任せするといいと思います。

鬼石:僕自身は、塚田農場さんと菊川市をおつなぎし、プロジェクトが始まる手前までお手伝いしたのですが、そこからカタチになるまで、すごく時間がかかるうえ難易度が高いことを実感しました。

市長がいかに本気で取り組むか、そして、コラボする企業がどこまで受け入れるかが、自治体と企業の連携の肝になるところですね。

難易度が高いからこそ、諦めるポイントは数多く存在します。双方のステークホルダー、意思決定者が強靱な意志を持っていることがすごく重要だと思いました。今回のプロジェクトでは双方から強い意志を感じられ、すごくよかったと感じています。

野本:市長さんからのコミットを弊社が受け取り、戦略アドバイザーが両者の橋渡しをする。三位一体でやれたことが成功の鍵になったと感じています。

正直なところ、今回は実験的な取り組みでしたが、反響の大きさに驚いています。そして、関係者からの嬉しい反応がとても多く、食を介したシティ・プロモーションを行う意義は非常に大きいと思いました。さらに、鬼石さん・NoSHAPEのような、中長期的にサポートしてくれる受け皿がある自治体とのコラボレーションには可能性を感じました。

鬼石:地方が元気になることをテーマにした情報は、あらゆるところで求められていますよね。そういう観点から、生産者の背景、商品開発の背景をしっかりリサーチしメディア戦略を立てていくことも、今後はしていきたいですね。

野本:今後は、第2幕・第3幕と自治体とのコラボを続けていきたいです。そして、好評だった商品を季節のおすすめとして残すなど、継続した関係性を築いていきたいとも考えています。

菊川市の深蒸し茶を使ったドリンクは好評ですから、これは定番メニューとして残したいところ。

複数の自治体と一緒にコンベンションという形を取るのも面白そうですね。そのときにはまた鬼石さんに橋渡しを、ぜひよろしくお願いいたします。

取材協力:エー・ピーホールディングス/塚田農場
https://www.tsukadanojo.jp/

 

自治体DX ならびに 自治体と企業のコラボレーションに関するご相談は
こちら

株式会社NoSHAPE

当社には、代表の鬼石を筆頭にBtoBマーケティングに精通したディレクターたちが在籍しております。代表の鬼石はKAIZEN PLATFORM出身。BtoBマーケティングのコンサルタントを10社以上手がけ、成功に導いております。

お客様とユーザーから信頼される存在であり続けるため、結果にこだわり活動します。マーケティングを元に広告・SEO・オウンドメディア・EC運用・Webサイト制作など、幅広く手厚い体制でお客様をフルサポートいたします。

https://www.noshape.jp/

この記事をシェア