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GA4へ移行しないと後で大変?そのリスクと課題、移行すべきタイミングを解説!

株式会社NoSHAPE

GA4への移行

2020年10月に「Google アナリティクス 4 プロパティ(GA4)」がリリースされました。その後、Googleからユニバーサルアナリティクス(UA)のサポート終了が発表されたこともあり、最近ではGA4を導入する企業が増えてきています。

とはいえ、これまでのGoogleアナリティクスを使っている人のなかには、「GA4に移行するのは面倒」「GA4の操作方法を学ぶのが負担」「設定し直すのが大変」と感じ、導入や移行に踏み切れない人も多いと思います。

そこで日頃からアナリティクスでの分析やWebマーケティング支援を行っているNoSHAPEがGA4の概要やユニバーサルアナリティクスとの違い、導入するメリット、移行しないリスク、移行すべきタイミングなどについて解説します。

Googleが旧Googleアナリティクス廃止を発表

ユニバーサルアナリティクスのサポートが終了

2022年3月16日に、Googleは旧Googleアナリティクスであるユニバーサルアナリティクス(UA)のサポートを終了することを発表しました。発表では、「2023年7月1日をもって、標準のユニバーサルアナリティクスプロパティにおける新しいヒットの処理は停止されます」とされています。つまり、2023年7月1日から旧Googleアナリティクスでのデータ計測ができなくなるということです。

また、数カ月以内にサポート終了日の発表が予定されています。サポートが終了するとデータの計測ができなくなるだけでなく、管理画面や各種データへのアクセスもできなくなってしまいます。

ユニバーサルアナリティクスのサポート終了後もこれまでと同様にGoogleアナリティクスでのアクセス解析やデータ集計を行いたいなら、GA4に移行する必要があります。

GA4とは

GA4トップ画面
まず、GA4とはどのようなものかという概要を紹介しておきます。

GA4とは、2020年10月にリリースされた「Googleアナリティクス4プロパティ」の略称です。2019年に発表された「アプリ+ウェブ プロパティ」という計測機能の正式版としてリリースされました。従来のユニバーサルアナリティクスに代わる、次世代のGoogleアナリティクスとして開発されたものです。

GA4ではユニバーサルアナリティクスから計測方式が変更されるとともに、様々な機能が追加されています。例えば、Webサイトとアプリをまたいでのユーザーの分析や機械学習を活用した予測・分析などができるようになりました。

2020年10月のリリース以降も毎月のように新機能が追加されており、今後もより使いやすく改良されていくことが考えられます。

GA4では何が変わる?

GA4では何が変わる?
では、GA4は従来のUAからの大きな変更といえますが、何が変わるのでしょうか?ここでは、GA4とUAの違いのなかでも大きなものを3つ紹介します。

1.計測単位の基準が変わる

これまでのGoogleアナリティクスであるUAとGA4では、データの計測単位の基準が異なります。

どういうことかというと、従来のUAではユーザーやセッション、ヒット単位での計測が行われていましたが、GA4ではユーザーやイベント単位で計測されるようになるということです。これまではユーザーのページ遷移をもとに計測をしていましたが、GA4ではユーザーの行動をもとに計測されるようになるというイメージです。

セッションという概念がなくなったので、それに紐づく直帰率や平均セッション時間という指標もなくなっています。そしてGA4ではページ単位での数値だけでなく、ユーザーが行った操作や閲覧行動を見ることができるようになりますし、アプリでのユーザーの行動なども取得できるようになります。1人のユーザーがどのページを見て、どのような行動を取ったかがよりわかりやすくなるのです。

2.分析機能の種類

GA4では、UAよりも分析機能の種類が豊富に用意されています。

特に、GA4では既存のレポート機能に加えて「データ探索」という機能が実装されています。データ探索機能とは、自分が確認したい項目やデータを自由に選択できるというものです。

項目の例としては、セグメントが重複している割合や人数、ユーザーがコンバージョンに到達するまでのいくつかのステップの完了率・放棄率、ユーザーがたどった経路、ユーザーごとの行動やイベント、収益などがあります。UAにはなかった様々な指標で分析を行うことができるのです。

分析結果はグラフ・表などのレポートにすることもできます。

3.実装方法

GA4とUAは、実装方法がやや異なります。

サイトのソース内にトラッキングコードを埋め込んだり、Googleタグマネージャーを使うという点では同じですが、GA4ではGA4用の「gtag.js」のコードの実装が必要になります。「gtag.js」とは、GoogleアナリティクスやGoogle広告などにデータを送信するタグです。UAでも、Googleタグマネージャーを利用して計測する場合にはこのタグが必要でしたが、GA4においてもGA4用のIDが記載されたタグの設置が必要になります。

また、Googleタグマネージャーにおいても、GA4タグの配信が必要になります。

GA4のメリットとは?

GA4には多くの機能が追加されており、様々なメリットがあります。ここでは、GA4を導入するメリットを5つ紹介します。

ユーザーをより正確に把握できる

GA4を利用することで、ユーザーのことをより正確に把握できるようになります。GA4はPV単位ではなくイベント単位での計測となっており、ユーザーがサイト内でどのような行動をしているのかを細かく知ることができます。

また、行動だけでなくLTVなども分析ができます。探索機能のひとつである「ユーザーのライフタイム」機能を使えば、ユーザーごとのLTVを分析できるのです。初回訪問日やその後の来訪回数、購入日、収益などをユーザー単位で確認できます。流入元ごとのLTVの数値を確認することも可能なため、LTVが高いユーザーがどこから訪れたのかを把握することも可能です。

より幅広い分析ができる

GA4ではより幅広い分析ができるようになっています。新しく「データストリーム」という仕組みが導入されており、Webサイトだけでなくアプリを使用しているユーザーのデータも計測・分析できるようになっています。

データストリームとはデータの計測・集計元のことであり、「iOSアプリ」「Androidアプリ」「ウェブ」という3つのストリームが用意されています。アプリのユーザーの行動を分析できるだけでなく、Webサイトとアプリを横断したユーザーの行動も把握できるようになったのです。

また、ファイルのダウンロードやサイトからの離脱、クロスドメインでの測定などもできますし、継続的なユーザーとの関係性を分析するコホート分析も可能になっています。

予測ができる

GA4では、蓄積したユーザーのデータをもとに、Googleの機械学習モデルを活用した予測ができるようになっています。以下のようにユーザーの今後の行動を自動的に予測してくれるので、より効率的にマーケティングを行えるでしょう。

予測の指標 概要
購入の可能性 過去28日間に操作を行ったユーザーが、今後7日間以内にコンバージョンに至る可能性を予測。
離脱の可能性 過去7日以内にWebサイトやアプリで行動したユーザーが、今後7日以内に操作をしなくなる可能性を予測。
予測収益 過去28日間に操作を行ったユーザーから、今後28日間に達成するコンバージョンによって得られる収益を予測。

予測機能を活用することで将来の収益を予測できますし、サイトやアプリの成長度合いを把握することができます。

設定・分析が楽になる

GA4を導入することで、従来のUAよりも設定やデータの分析が簡単になる部分があります。

UAでは、スクロールや離脱クリック、ファイルダウンロードなどのイベントを計測するにはタグマネージャーでの設定やイベントトラッキングのために手動でコードを書いたりする必要がありました。GA4では、管理画面のON/OFFスイッチを切り替えるだけでそれらのイベントを計測できるようになりました。

また、GA4ではデータの計測方式がイベント単位となりフォーマットが統一されているので、より多くのデータを自動取得でき、取得したデータの加工も楽になっています。

ただ、GA4では平均滞在時間、セグメントなどがプリセット機能からなくなっているので、過去データを利用する場合にはBIツールとの連携が必要になります。

ビッグデータの分析も可能に

GA4では、ビッグデータの分析も可能になります。大量のデータを蓄積・分析するGoogleのサービス「BigQuery」との連携が無料でできるので、高速でビッグデータを処理することができるようになるのです。

これまでは生データの取得やビッグデータの分析には有償のサービスを利用しなければなりませんでしたが、GA4を利用することで容易に解析ができるようになったのです。

また、SQLを利用したビッグデータの解析やBigQueryで既に管理している他のデータと統合した分析なども可能になります。複雑なビッグデータの分析がより楽にできるようになっているのです。

GA4へ移行しないとどうなる?

GA4へ移行しないとどうなる?
ここまで説明したように、GA4には様々なメリットがありますが、GA4へ移行しないとどうなるのでしょうか?ここでは、GA4へ移行せずUAのみを使い続けるリスクを2つ紹介します。

データが取れなくなる

GA4を導入せずにこれまでのGoogleアナリティクス(UA)だけを使っていると、ゆくゆくはデータが取れなくなってしまいます。

というのも、UAでのデータ計測処理は2023年7月1日に終了するので、GA4を導入していないとそれ以降のデータが計測できなくなってしまうのです。UAの有料版を使っている場合も、2023年10月1日に計測が停止します。

さらに、GoogleアナリティクスとGoogle広告を連携している場合、UAのデータがGoogle広告に転送されなくなってしまうので注意しましょう。

過去データが見れなくなる

GA4へ移行しないとデータが取れなくなるだけでなく、後々は過去に計測したデータの閲覧もできなくなります。

Googleの発表によると、2023年7月1日にデータ計測が停止し、その後少なくとも6ヶ月間だけはこれまで計測したデータにアクセスできるとされています。しかし、2024年1月1日以降はどこかのタイミングでデータが見られなくなります。

データの閲覧ができなくなると、過去データとの比較ができなくなります。UAのサポート終了後も過去データの閲覧・比較をしたいのであれば、ExcelやCSVファイル、Googleスプレッドシートでデータをエクスポートしておく必要があります。

2022年6月末までの導入が重要

UAはいずれデータを取れなくなりますし、データの閲覧もできなくなります。では、GA4はいつまでに導入しておけばよいのでしょうか?

Googleの発表ではデータの計測が2023年7月1日で終了するということなので、それまでに移行しておけばいいのでしょうか?実はそうではなく、もっと早く移行しておく必要があります。

アナリティクスデータを分析するときには、過去データを見ることがあると思います。前年の同時期との比較をすることもあるでしょう。その際に、UAとGA4ではデータの基準が異なるので、数値の比較ができないということになってしまいます。GA4で計測されなくなる数値などもあります。

例えば、2023年8月のデータを2022年8月と比較したいという場合、移行ができていないと2022年分はUAのデータ、2023年分はGA4のデータということになってしまいます。

だからこそ、過去データと比較するためには計測が終了する前に移行しておいたほうがよいのです。2023年7月に終了なので、2022年6月末までにGA4に移行しておくのがよいでしょう。

GA4移行における課題とは?

早めに移行しておいたほうがよいGA4ですが、移行時には様々な問題があります。ここでは、GA4への移行時に起こりうる課題を4つ紹介します。

専門知識が必要

GA4は、これまでのGoogleアナリティクスと指標や概念、計測の仕組みなどが異なるため、移行して利用するには専門知識が必要となります。

UAでは直帰率やセッションといった指標がありましたが、GA4では直帰率は廃止され、セッションの定義が変更されています。また、GA4では新しくエンゲージメント率という指標が追加されています。移行するにあたっては、それらの知識を学ぶ必要があります。さらに、自社で移行を行う場合は新しい計測タグの設定や、データストリームの登録などに関する知識も必要になります。

GA4は正式にリリースされてから間もないため、ネット上や書籍などでも使い方や移行に関する情報が不足しています。GA4の専門知識がある人材が社内にいない場合、移行作業がスムーズに進まない可能性があるので注意しましょう。

学習コスト・教育コストが必要

GA4に移行するためには、社員の学習コストや教育コストが必要となります。GA4では使い方やインターフェース、データの基準などがUAと変わっているので、それらを自社のスタッフがイチから学ばなくてはなりません。そのため、習得するまでの学習コスト、研修などの教育コストが必要になります。

GA4では様々な点が変更されているため、UAに慣れている人ほどGA4を使いづらく感じてしまい、慣れるまでに負担を感じるかもしれません。GA4の学習や教育に自社の社員の工数をかけたくない場合や詳しい人材がいない場合は、専門の会社に外注するなどを検討してもよいかもしれません。

設定作業が必要

GA4へ移行するためには、プロパティや計測タグの設定はもちろん、イベントやコンバージョンなどの設定を行わなければなりません。UAで取得していたのと同じデータを計測できるように設定する作業が必要なのです。そのために、GA4の画面やGoogleタグマネージャーなどを使った設定作業が必要になります。

ただ、GA4ではデータの計測単位などが変わっているため、これまでとまったく同じデータを収集するのは難しいかもしれません。各種指標や計測のロジックも異なっており、GA4とUAで数値が合わない場合もあるため、別のツールと考えて設定したほうがよいでしょう。

データの保持期間に制限がある

GA4ではデータの保持期限に制限があるというのも、長期的な運用を考えたときには課題といえます。UAでは期間無制限で計測データが保存できましたが、GA4では最大でも14ヶ月で順次データが消えてしまいます。

だからこそ、長期的な分析を行うには過去データを保存しておかなくてはなりません。そこで利用したいのが「BigQuery」です。データをBigQueryに登録しておけば、アナリティクスのデータは保持されます。

このように、14ヶ月以上前のデータを残したい場合は、BigQueryとの連携が必須になります。

機能が変更になる可能性がある

GA4はUAと比べて様々な違いがありますが、今後も機能の追加や変更が行われる可能性があります。というのも、GA4は現在でも頻繁に機能のアップデートが行われており、未実装の機能も多い状態です。

Googleの公式サイトでも「今後もさらに改良を進めていく」と発表されていますし、すでに実装されている機能も今後仕様が変わる可能性があります。

移行をした後に機能が変更されたり、使い方が変わったりすることで学習コストや設定作業、運用方法の見直しが必要になることが考えられます。

企業別の移行プラン

ここまで説明したようにGoogleアナリティクスを使っている企業は、できれば2022年6月末、遅くとも2023年7月までにはGA4を導入しなくてはなりません。

ただ、企業によってどのタイミングで移行すべきかは変わってきます。普段どんな目的で、どれくらいの頻度でGoogleアナリティクスを使っているかによって、移行のタイミングや進め方が変わってきます。ここでは、GA4への移行プランを企業の利用状況別に紹介します。

現在Googleアナリティクスを活用している企業

現在、自社サイトの分析やマーケティングなどでGoogleアナリティクスをフルに活用している企業は、早めに移行を行うのがよいです。

頻繁にUAを利用しているのであれば、将来的にも過去データとの比較が必要になるでしょう。UAにおいてイベントやプロパティなども設定していると思われますので、GA4でも同じようなデータを取っておかなくてはなりません。その分、移行作業の工数も多くなるので早めに取り掛かるのがよいです。

前年データとの比較などを行いたいのであれば、2022年6月までに移行を完了させましょう。

移行作業は、社内にエンジニアやアナリストなどがいるなら自社で行うことも可能です。ただ、社内にそういった人材がいなかったり、GA4に詳しくないという場合は、外部の会社に依頼するという方法もあります。

Googleアナリティクスをほぼ利用していない企業

Googleアナリティクスを導入しているものの、頻繁に使っていない、もしくはほぼ使っていないという企業は急いで移行する必要はありません。

ただ、UAで計測しているサイトやアプリにGA4の計測タグだけは埋め込んでおき、UAと併用しながらデータだけを取得しておくのがよいかもしれません。ただ、2023年7月にUAのデータ計測が停止するため、それまでには移行を済ませておきましょう。

アナリティクスの設定をサービスとして提供している企業

Web制作会社やマーケティング支援事業を行っている会社など、アナリティクスの設定をサービスとして提供している企業は、早めに移行したほうがよいでしょう。

Googleアナリティクスの設定などをサービスとして提供するからには、GA4で追加・変更された機能や設定方法、指標に関する知識などを把握しておく必要があります。

GA4に移行ができる人材が社内にいるものの、クライアントへの対応などで忙しく移行対応ができないという場合は、外部の会社に任せてもいいでしょう。外注することで自社のリソースを有効に活用できます。

NoSHAPEのGA4移行サービス

様々な課題があるGA4の移行ですが、NoSHAPEではGA4への移行サービスを提供しています。

経験豊富なディレクター、エンジニアが在籍しており、GA4の細かな設定などにも対応しています。リスティング広告の運用やWebサイト制作、改善、分析などを日常的に行っているからこそ、Googleアナリティクスに関するノウハウがあります。

また、GA4のデータをLooker Studeioを活用してダッシュボードで可視化するサービスも提供しています。GA4のデータ分析には手間がかかるため、操作に慣れていない場合、多くの時間がかかってしまうでしょう。

そのようなときにNoSHAPEにご相談いただければ、御社に代わってダッシュボードを作成いたします。有益なレポートにより、読み取りと共有を容易にできるようになるでしょう。

GA4への移行について以下のようなお悩みをお持ちの方はぜひ一度ご相談ください。

  • GA4への移行はしたもののUAのように活用できていない
  • GA4に移行したが、データの閲覧方法が理解できていない
  • GA4に移行したいけど自社のリソースや知識が不足している
  • GA4への移行方法がわからない

現在お問い合わせが殺到しておりますので、お早めにご連絡ください。ご相談はこちらから。

まとめ:GA4への移行は早めにしておくのが吉

GA4では、データの計測単位や指標、画面仕様など様々な部分が変更されています。UAに慣れている人は使いにくさを感じるかもしれませんが、新しく追加された探索機能による自由度の高い分析や機械学習による自動予測ができるなど、様々なメリットもあります。

UAでは2023年7月からデータの計測ができなくなりますし、2024年1月以降のどこかのタイミングで過去データの閲覧ができなくなります。旧Googleアナリティクスのサポート終了に備えるためにも、早めにGA4に移行しましょう。

NoSHAPEではGA4移行サービスを行っています。「GA4に移行したいけど難しそう」「自社に詳しい人がいなくて移行できない」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

株式会社NoSHAPE

当社には、代表の鬼石を筆頭にBtoBマーケティングに精通したディレクターたちが在籍しております。代表の鬼石はKAIZEN PLATFORM出身。BtoBマーケティングのコンサルタントを10社以上手がけ、成功に導いております。

お客様とユーザーから信頼される存在であり続けるため、結果にこだわり活動します。マーケティングを元に広告・SEO・オウンドメディア・EC運用・Webサイト制作など、幅広く手厚い体制でお客様をフルサポートいたします。

https://www.noshape.jp/

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