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日本でDXが進まない理由7つを解説。データを元に紹介します
株式会社NoSHAPE
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、経済産業省が推奨しているデジタル変革のことです。
近年は、業務効率や労働環境を改善するためにDXの取り組みが求められています。一方で、DXをうまく進められない企業や、DXによる成果を実感できていない企業が多いのも事実です。
本記事では、DX化の現状と日本でDXが進まない理由7つを紹介します。企業がDXを進めるためのポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
DXが進まない現状
DX推進の必要性が高まっている一方で、DXの推進に課題を感じている企業は多く、まだまだDX化が進んでいないのが現状です。ここでは、DXの取り組みが進まない現状について、データを元に紹介します。
DX化に取り組む企業は増えている
株式会社電通デジタルが実施した調査によると、DXの取り組みに着手している日本企業は増加傾向にあり、昨年から4%拡大して全体の74%に及んでいます。これは新型コロナウイルスの影響だと考えられます。一方で、新型コロナによりDXの取り組みが中断・減速したと感じている企業は25%にとどまり、データからみるとDX化は加速しているように見受けられます。
ただ、このようにDXの取り組みに着手している企業が増加しているものの、DX推進に対して障壁を感じている企業も多いのではないでしょうか。DX化を進めて成果を出せている企業がどれくらいいるのかを見てみましょう。
効果的に進まないDX化
先ほど紹介した電通デジタルの調査によると、DXに取り組んでいる企業のうち、全体の約50%が「DXで成果が出ている」と回答しています。しかし、内訳をみると「取り組んだ一部に成果が出ている」と回答した企業が28%と最も多く、企業が実感している成果は限定的であることがわかります。
また、「どちらでもない」「あまり成果が出ているとはいえない」「全く成果が出ていない」「計画中の項目のためまだ成果は見えない」と回答した企業は、全体の半数を超えています。
さらにデル・テクノロジーズ株式会社が実施した調査によると、デジタル化が進捗している企業はわずか8.7%という結果が出ています。
つまり、取り組みを開始する企業が増加しているものの成果は限定的で、デジタル化が進んでいると実感している企業が少ないということです。
では、このようにDXが上手く進まない理由は何なのでしょうか?それを知ることで、DXを進める時にどのように対処すればいいかがわかるかもしれません。
日本でDXが進まない7つの理由
ここでは、日本でDXが進まない理由を解説します。
推進できる人材がいない
株式会社フレクトが実施した調査結果は以下です。
この調査によると、DXを進める上での課題として「推進できる人材がいない」という回答が40.3%を占める結果となりました。
DXを進めるためには、自社に必要なシステムを見極める知識やシステムを開発・運用するための知識、マネジメントなどの専門的な知識が必要になります。しかし、こういった知識を持った人材は不足しており、多くの会社がDXを進めようとしているため、人材がさらに不足してしまうのです。
IT系の会社であれば社内にこういった人材がいるかもしれませんが、一般的な事業会社ではいないケースが多いので、DXを推進する人材の採用や育成を行わなくてはなりません。
とはいえ、そもそも教育できる人が社内にいなかったり、人材の採用方法や見極め方がわからなかったりなどの理由から、DXを推進できる人材を確保できていない会社が多いのです。
予算が不足している
上の株式会社フレクトの調査では、DX化における課題が「予算がない」ことであるという割合は、全体の29.7%でした。DX推進に取り組みたいものの、予算が不足していて進められないという企業が3割ほど存在するのです。
日本情報システム・ユーザー協会の調査によると、多くの企業は将来的な「攻めのIT投資」への意欲が高いものの、現時点では「守りのIT投資」が多くを占めているという結果になりました。
なお、ここでいう「攻めのIT投資」とは、ビジネスにおける新しい施策を展開するためのIT投資で、「守りのIT投資」は現行ビジネスを維持・運営するための投資を意味します。
つまり、多くの企業はDXの必要性を感じつつも、既存システムを維持するためのコストが高額であるため、DXの新しい取り組みに予算を投じられていない状態であることが伺えます。
開発できる人材がいない
また、株式会社フレクトの調査では、DXを進める上での課題として「開発できる人材がいない」と回答した企業の割合は27.3%でした。
DXでは、どうしても自社で利用するシステムなどを開発する必要があります。しかし、それには開発スキルを持った人材が欠かせません。システム開発を外注する場合でも、システム要件の検討や外注先のマネジメント・やり取りなどを行うエンジニア人材が必要です。
このような、開発・ITスキルを持ったIT人材がいないとシステムの開発が難しくなり、DX化も進まなくなってしまうのです。
DXのビジョンや経営戦略、ロードマップが描けていない
DXを推進するビジョンやDXに対する経営戦略、ロードマップが描けていない企業も多いようです。株式会社フレクトの調査によると、「DXの効果・目的が不明」が17.3%、「目指したい姿が描けない」が12.3%という結果となっています。
DXのビジョンや経営戦略が不明確だと、DX推進メンバーは実施すべき施策を立案できません。社内意思の統一もできないため、社員からの協力を得ることも難しくなってしまうでしょう。
また、DX実現までのロードマップが不明瞭だと、具体的にどのような施策をどの順番で実行すべきかがわからないので、DX化が進まない原因となります。
具体的な事業への展開が進まない
一般社団法人日本能率協会が実施した調査によると、DX推進における課題として「具体的な事業への展開が進まない」と回答した企業は67.1%に及んでいます。DX化の取り組みは始めているものの、実際の業務やビジネス、現場社員への展開が進んでいないのです。
展開が進まない例として、営業支援ツールを導入したものの活用できている社員が少なく、業務や事業の改革につなげられていないというケースが挙げられます。DXでは単にシステムを導入するだけでなく、効率的に利用する方法や利用して成果を出すノウハウのレクチャーなどが必要となります。
DXの目的はシステムを利用することで業務やビジネスを効率化し、変革によって新たな成果を出すことです。そのためには、DXを推進するチームを立ち上げるなどを行い、事業へ展開する体制を整えることが重要です。
既存事業で忙しい
電通デジタルの調査によると、DXに関する課題として「既存事業が忙しく、十分な協力体制を敷くことができない」と回答した企業は全体の25%を占めています。つまり、DX推進が進まない要因には、人手不足や予算の制限だけでなく、既存事業にリソースを取られていることが関係しているようです。
よく見られるのが、DXを推進する担当者が持つ既存事業への業務量を減らさずに、DXを進めようとすることです。これでは既存事業にばかり時間を取られてしまい、DX推進に取り組むための時間を確保できず、DX化を進められません。
DX推進を加速させるには、IT部門以外の事業部門も協力し、担当者がDX推進に取り組める時間を確保する必要があります。担当者の工数を確保するには、DX化を進める際に繁忙期ではないタイミングを狙ったり、既存事業の業務量を減らしたりなどの工夫を行いましょう。
既存システムが足かせになっている
経済産業省が公開している『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』によると、約7割の企業が「DX化においてレガシーシステム(老朽化・複雑化したシステム)が足かせだと感じている」という結果が出ています。多くの企業が既存システムの影響でDX化を進められていないことがわかります。
既存システムがブラックボックス化・属人化・複雑化していると、システムの改修や保守業務の引き継ぎ、システムの復元などを行うのに手間がかかります。
また、既存システムが事業部門ごとに構築されている場合は会社全体でデータを連携して活用できず、DXの取り組みによる成果が限定的になってしまうこともあります。
既存システムの問題が未解決のままだとDX化が進まなくなるだけでなく、2025年には1年間あたり最大12兆円の経済損失が生じるといわれており、企業には迅速な対応が求められます。
企業がDXを進めるためのポイント
ここまでDX化が進まない理由を解説してきましたが、企業がDXを進めるにはどうすればいいのでしょうか。ここでは、企業がDXを進めるためのポイントを紹介します。
ビジョンと戦略の共有を徹底する
DX化を進めるには、ビジョンと戦略を共有する必要があります。社内でDXに対する意識が統一できていないと、部門を超えた連携が難しく、せっかくDX化を行っても部分的な取り組みになってしまいます。
また、現場の社員が戦略を理解できていないと、どのようにDX化を進めていいのかがわからず、取り組みが停滞してしまうかもしれません。
だからこそ、DX推進を主導する部署や経営層が主体となり、DX化を行う目的やメリット、行わないことによるリスク、具体的な進め方などを周知していくことが重要です。社内でのミーティングやコミュニケーションを積極的に行い、社内全体に浸透させていきましょう。
人材を確保する
DX化を推進するには、IT・デジタルに関する知識やビジネススキル、組織をまとめるマネジメントスキルなど、専門スキルを持ったIT人材を確保することも重要です。
IT人材を確保する手段としては、自社の社員を育成する方法と、外部から新しく採用する方法の2つがあります。
育成する場合は採用コストがかからないものの、教育するための人件費や時間、外部講師を招くための費用が必要となります。さらに、短期間で複数のスキル、高度なスキルを身につけることは難しいため、育成には数年といった長期間をかけて取り組みましょう。
外部から人材を採用する場合は専門スキルを持った人材を確保できますが、こういった人材は採用コストが高い傾向にあります。IT人材は不足しているのが現状であるため、自社サイトや求人サイトなどを活用して採用ルートを確保するとともに、必要なスキルセットを持っているかを確認しましょう。
スタッフのマインドセットを変える
DXを進める際は、スタッフのマインドセットを変えなければなりません。DXは既存のビジネスモデルや業務プロセス、組織体制を変革するものであり、それらを実現するには既存の考え方も変える必要があるのです。
DX化に必要なマインドセットの例としては、以下のようなものがあります。
- 主体的に行動する
- 新しいことに対して前向きに学び、取り組む
- 自ら課題を設定し、解決策を検討する
- 失敗を恐れない・否定しない
各スタッフが主体的に行動するようになればDX化が進みやすくなりますし、新しいことや変化に対して前向きに取り組んでくれれば、ツールの導入などもスムーズに進むでしょう。
スタッフのマインドセットを変えるには、研修プログラムを用意したり外部講師を招いたりなどを行う、社内の文化を発言や行動に対して許容するように変更し、心理的安全性を高めるのがよいでしょう。
攻めの投資を行う
DXで成果を出すには、攻めの投資を行うことが大切です。既存のビジネスを運用・維持する「守りの投資」を行うだけでは、ビジネスモデルや業務プロセスなどの変革ができず、DXが進まなくなってしまいます。
だからこそ、新サービスの開発や新規顧客の開拓、ビジネスモデルの変革などにつながる攻めの投資に力を入れることが重要なのです。マネジメント誌である「Harvard Business Review」の分析でも、攻めの戦略を行っている企業ほどDXで大きな成果をあげているという結果が報告されています。
とはいえ、攻めの投資を行うだけの予算がないという企業も多いと思います。そういった場合には、既存システムを見直したり、補助金制度を活用したりといった方法が有効です。以下の記事にて、DXに必要な予算を確保する方法について詳しく解説しているので参考にしてください。
外部の企業と連携する
DXが進まない場合は、外部の企業と連携するという手段もあります。
DX化を進めるには専門のノウハウやIT人材が必要となりますが、それらの確保が難しい企業もあると思います。
自社のノウハウや人材が不足している場合は、DX推進のサポートなどを行っている専門の会社に相談するのもよいでしょう。専門会社では、DX推進における戦略の立案や実行支援、ITツールの選定・導入・運用など様々なサポートが受けられます。
DX支援を行っている会社5選
ここでは、DX支援を行っている会社を5社紹介します。
株式会社NoSHAPE
出典:株式会社NoSHAPE
株式会社NoSHAPE(ノーシェイプ)は、BtoBに特化してマーケティング支援を行っている会社です。マーケティング活動やDX推進の戦略策定、DX組織の開発など、DX化に関わる幅広いプロセスをサポートしています。
代表の鬼石は、大規模なDX推進を支援した実績があり、これまで300社以上のコンサルティングを行ってきました。DX推進に加えて、マーケティングや組織開発のサポートも受けたい場合には、ぜひ一度ご相談ください。
株式会社サイバーエージェント
株式会社サイバーエージェントは、小売業界や医療業界、行政などさまざまな分野でDXを推進している会社です。たとえば、小売業界では最適な店舗集客施策の提案や、IoTデバイスを活用した店舗での購買促進などを行っています。また、医療業界ではオンライン診療やオンライン服薬指導などのサービスを提供しています。
ABEMAやWINTICKETなどのメディア開発を開発してきた豊富な経験を活かし、「DX Design室」やAI研究組織の「AI Lab」、データサイエンティストが集う「Data Science Center」を立ち上げました。それにより、UI/UXデザインやAI・データ分析の各方面から一貫してDX推進をサポートしています。
株式会社日立コンサルティング
株式会社日立コンサルティングは、ITシステム・グランドデザインの策定や、生体認証を活用したDX推進、研究開発部門のDX推進、法的書面デジタル化などさまざまな支援を行っている会社です。たとえば、ITシステム・グランドデザインの策定支援では、新ITシステムの全体アーキテクチャの策定や、IT中期計画の策定などの支援を行なっています。
また、これまで多様な企業のDX推進を支援した経験から、DXに特化した人材戦略・育成計画の策定支援も行なっています。顧客のビジネスに合致したデジタル人材の定義だけではなく、人材戦略・育成計画の立案やモチベーション向上を誘引するための制度設計も支援の対象です。
株式会社モンスター・ラボ
出典:株式会社モンスター・ラボ
株式会社モンスター・ラボでは、DX推進を企画段階からサポートするサービスを提供している会社です。開発実績数は2,200件にも及んでおり、業界随一の実績数を誇っています。
デジタルテクノロジーを駆使し、iOSやAndroidのアプリ、AR、VR、EC、業務改善システムなどさまざまなサービスを開発しています。各分野ごとのプロフェッショナルをアサインし、クライアントも含めてチーム一丸となってプロジェクトを進行します。
株式会社GeNEE
出典:株式会社GeNEE
株式会社GeNEEでは、戦略策定からシステムおよびアプリ開発、導入、運用支援、保守に至るまで一気通貫してサポートしています。リリース後のアフターサポートにも力を入れており、プロジェクトの適性に合わせて保守と運用、監視サポートを実施します。
GeNEEには、ビジネスモデルの全体像を理解したディレクターやコンサルタント、サービス開発にUI/UX要素を継ぎ足すデザイナー、最適なシステムやアプリの設計を手掛けるテック・エンジニアがいます。実現可能性を意識したアイデアを創出し、惜しむことなく最良の提案を行う点が強みです。
まとめ:DXが進まない理由を考え対策をしよう
DXは生産性向上や業務の効率化、ビジネスモデルの変革のために重要な取り組みです。しかし、多くの企業がDXをうまく進められていないという現状があります。
DX化が進まない主な理由としては様々なものが考えられますが、なかでも大きな理由としてはDX化を推進できる人材やノウハウが不足していることが挙げられます。社内のリソースだけではDX化がうまく進まないという場合は、外部の専門会社と連携するのもよいでしょう。
私たちNoSHAPEは、DX化の戦略や実行支援事業を行っており、300社の事業改善コンサルティングを行ってきました。DX戦略の立案から実行、デジタルマーケティングまで支援しており、代表の鬼石はこれまでに幅広い企業のDX化を支援してきた実績があります。
自社のDX化が進まないとお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
株式会社NoSHAPE
当社には、代表の鬼石を筆頭にBtoBマーケティングに精通したディレクターたちが在籍しております。代表の鬼石はKAIZEN PLATFORM出身。BtoBマーケティングのコンサルタントを10社以上手がけ、成功に導いております。
お客様とユーザーから信頼される存在であり続けるため、結果にこだわり活動します。マーケティングを元に広告・SEO・オウンドメディア・EC運用・Webサイト制作など、幅広く手厚い体制でお客様をフルサポートいたします。