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DXを内製化する方法とは?内製化を成功させるポイントを解説

株式会社NoSHAPE

DXの内製化

DX化を外部の企業に依頼しているものの成果が出なかったり、連携が上手くいかなかったりして不満がある方もいるかもしれません。そんな場合には、自社でDXを内製化するのがおすすめです。

ただし、DXの内製化を行う際には注意しなければならないことがあります。この注意点を知らずに内製化に取り組んでしまうと失敗してしまう恐れがあります。

この記事では、内製化の方法や内製化で注意すべきポイントについてご紹介します。DXの内製化を検討されている方は、ぜひご一読ください。

DXの内製化は必要?

そもそもDXの内製化は必要なのでしょうか?ここでは内製化の必要性について説明します。

まず、DXの内製化を重要な施策と位置付けている企業は増えています。セブン&アイホールディングスでは、「ITやDXを自社の競争優位の重要施策と位置付けるなら、それを外注するという選択肢はあり得ない」として、2019年10月にエンジニア専用の採用チームを立ち上げ、2021年6月までに約160人のIT・DX人材を中途採用しました。エンジニアが全くいなかった状態から、着々と内製化に取り組んでいます。

引用:日経XTECH|セブン&アイがエンジニアを大量採用、「DXの内製化」に注力する理由

このように、DXの内製化に取り組む企業は増えています。その背景としては、加速する市場変化や増大するビジネスデータの重要性、システム障害へ迅速に対応しなくてはならないからです。自社でDXを進めることでこのような変化に対して対応でき、ビジネスをより成長できるのです。

また、かつては専門企業にシステム開発を委託するのが一般的でした。しかし、システム開発を全て委託しているとコミュニケーションに時間がかかり、市場の変化に追いつくことができません。そこで、自社でシステム開発ができる体制を整えるためにも、内製化が有効なのです。

DX内製化のための準備

DX内製化は、準備がしっかりできていないと失敗に終わってしまうリスクがあります。ここからは、DXの内製化を始めるまでの準備を過程を追いながら説明します。

アウトソーシングの割合を低下させる

まずは、社内でヒアリングやアンケート調査を行い、現在どのくらいアウトソーシングしているかを把握しましょう。顧客管理や販売管理、在庫管理、労務・人事管理など、できる部分からその割合を少しずつ低下させていきます。

また、アウトソーシングの割合を減らす際には社内の負担が増えることになります。DXを担当してもらう人材の業務は減少させましょう。

開発環境を整える

DXを内製化するためには、システムを開発するための設備やソフトの導入、仕様決定、ルール作りなど、自社で内製化するための開発環境を整えなくてはなりません。SaaSやノーコード開発ツールの導入、エンジニアの採用など社内の体制を整えましょう。

実際に自社で開発を始められる段階までは時間を要しますが、開発までの経緯が明らかになることでシステムのマニュアル作成やトラブル発生時にそのノウハウが活かされます。

新たに人材を採用した場合にも、ルールや開発環境が整っていればスムーズに業務に取り組めるはずです。

品質管理体制を整える

自社で開発したシステムや導入したシステムは、その品質を評価・管理しなくてはなりません。外注している場合であればテストや品質管理なども行ってもらえますが、社内ではそういったこともすべて行わなくてはなりません。

もし不具合やセキュリティの不備などがあった場合にも、すべての責任を会社が負うことになるので注意しましょう。

品質管理体制の作り方としては、自社で開発できる段階まで環境が整ったら、チェック担当者を選任し、チェックフローを策定します。品質をチェックするスケジュールを定める、チェック項目を決めるなど、細かな部分まで決定しておくと品質管理がルーズになることを防げます。

DX内製化の進め方

DX内製化の進め方

DX内製化の準備が整ったら実行に移りましょう。内製化を進めるにあたり、どのような手順を踏むべきかを解説します。

目的を明確化する

まずは目的を明確化します。「なぜDXを内製化するのか?」を明確にして、目指すべきゴールを定めましょう。

内製化の目的があいまいなままで進めてしまうと、DXを進めていくうちに本来の目的とは違った方向に進んでしまったり、最善の手段を選択できなかったりします。

その結果、ただ業務のデジタル化だけ行うことになり、本来DXの内製化によって実現すべきゴールを達成できなくなってしまいます。また、目的次第で選択すべき内製化の手段も変わります。最適な手段を選択するためにも、目的の明確化が大切です。

目的を明確化する際には、内製化の効果や目標、将来の状態などを具体的な数値に落とし込むのが重要です。KGIやKPIを定め、進捗度合いを定期的に確認をしていくようにしましょう。

DX内製化への意識共有

DXの内製化においては、会社全体での内製化への意識共有が必要です。DXは抜本的な改革であり、DXの内製化を進めるには社内のあらゆる部署の協力が必要だからです。

そのため、経営層や部門長から会社や部門全体に向けて、DXを推進する意義やビジョンを説明しなくてはなりません。さらに、全社員に対して説明会の開催やDX内製化を推進する旨の通達を行うなどをして、意識を共有するようにしましょう。

それによって理解が得られ、DXへのモチベーションを高めることができます。

担当者決定

DX内製化の担当者、つまりDX内製化を主導する人を決定します。

担当者は内製化を進めていくにあたって非常に重要な存在であり、担当者によってDXの成功が左右される可能性もあるからです。デジタル技術を扱えることはもちろん、自社の事業や課題について熟知し、導入するシステムやツールを扱える人材を担当者とするべきです。

さらに、社内での人材育成が必要になることもあるため、担当者にはマネジメント能力があるほうがよいかもしれません。自社にこのような知識やスキルを持った人材がいない場合で早急にDXを内製化するのであれば、外部から人材を採用するのもよいでしょう。

現状の把握

担当者を決定したら、次に自社の現状を把握しましょう。業務の可視化を行うことで、内製化にあたり、どこに問題がありどのような対応が必要かがわかります。

現在の社内のシステムの状態を把握することも重要です。DXにおいては多くの場合、既存のシステムとの連携やデータの統合などが大きな問題となります。既存システムの仕様や設計、これまでの改修経緯などを調査しましょう。

現状を把握する際には、社員が働く現場を観察する、生の声をヒアリングするなどを行うのがよいです。社内の実情を知っているのは社員ですし、システムを利用するのは社員ですので、社内の現状を知りましょう。

戦略の決定

現状が把握できたら、 DX内製化の長期的な戦略を決定します。DX化をどのような順番でどのようなDX施策を行うのか、それによってどのような効果をもたらすのかの具体的な戦略を考えるのです。

DXの実行段階には、様々な障害が発生します。そこであらかじめ具体的に戦略を立てておくことで、発生した障害にも適切かつ迅速な対応が可能になります。

いつまでにどのシステムをどの順で導入し、どのような業務のDX化を行うかのスケジュールも立てましょう。その際には、各部門と調整をしながら、いつ頃までに業務改善の効果を目指すのかという目標も定めておくのがよいです。

外注範囲の検討

最後に、内製化すべき業務と外注業者に依頼すべき業務の振り分けを行います。DXを始める段階など体制が整っていない状態だと、初めからすべてを内製化するというのは難しいと思います。そこで、外注も利用しながらDXを進めることで、よりスムーズに進めることができるのです。

現状把握によってわかった社内のシステムの状態や内製化の難易度、業務への影響度、コストなどを踏まえ、内製と外製の区分を決めます。

外注するときには、内製化を行うスタッフとの連携も重要です。初めからコミュニケーションの方法や定例の頻度などを決めておくのがよいでしょう。

DXの内製化を成功させるポイント

DXの内製化を成功させるポイント

DXの内製化を成功させるためには、ポイントをおさえながら取り組んでいく必要があります。以下のようなポイントに注意しましょう。

  • 長期的な取り組みであることを理解する
  • 内製化だけにこだわらない
  • 決定権のある経営層を巻き込む
  • 予算を得る

長期的な取り組みであることを理解する

DXの内製化とは、組織全体に関わる改革です。だからこそ、DXを内製化するためには時間がかかることを覚えておきましょう。

人材の確保・育成やシステム開発など、内製化には時間がかかります。長期的な取り組みであることを理解し、経営資源の割り当てを考えましょう。

また、DXの内製化による成果がすぐに目に見えて現れない可能性もあります。DXの内製化というのは、抜本的な変革であり、システムを大きく変更するものです。だからこそ、効果的なノウハウが蓄積されるまでに時間がかかることがあるのです。

成果が見えるまでに長期間かかることがあるとあらかじめ理解してプランを立てておくことで、予算が減らされたり内製化がストップしたりすることなどを防げます。

内製化だけにこだわらない

DXは、内製化だけにこだわらないことも重要です。自社ではカバーできない部分や自社で、対応するのに時間がかかりすぎる部分などは外注するのがよいでしょう。

自社にその分野に関しての人材がいない場合などは、プロダクトの外注を行うのがよいですし、DXに関する知識がない場合にはコンサルタントからアドバイスをもらうのもよいです。

ほかにも、DXを社内で進めるにはIT人材の育成も必要ですが、そういった育成の部分だけを外注するのもよいでしょう。

決定権のある経営層を巻き込む

DXの内製化を進めるためには、経営層などの決定権のある人を巻き込むことも大事です。

DXの内製化は大きな改革であるからこそ、社内から反発やネガティブな意見が出る可能性があります。だからこそ、経営層を巻き込むことで内製化の必要性を説明してもらうことができますし、変革を進める権限をもらうこともできます。

さらに、DXの内製化は予算も大きく、重要な決断が必要になる場面があります。そんなときに経営層との距離が近ければ、スピーディに決断・導入ができるものです。

また、経営者が主体となってDXを推進したり、DX推進のための部署を設置したりしている企業の方がDX推進の成果が高くなっているというデータもあります。

DXの内製化には、経営層に積極的に参加してもらうようにしましょう。

予算を得る

DXの内製化を成功させるためには、予算を得ることも欠かせません。DXの内製化には、IT人材を採用・育成したり、システムを開発・運用したりするためのコストがかかるからです。十分な予算をかけられないと、必要な人材や開発環境を用意できずに、DXの内製化が停滞してしまう可能性があります。

実際に、株式会社フレクトの調査では、29.7%の企業が「予算がない」という理由でDXを進められていないと回答しています。

DXの内製化に失敗しないためにも、経営層にDX内製化の必要性や効果をしっかりと説明して、予算を得ましょう。

株式会社フレクト調べ
引用:株式会社フレクト

DX内製化のサポートも有効

DXの内製化を成功させるためには、デジタルやマネジメントなどの専門的な知識・スキルを持った人材が必要です。しかし、自社にこのような人材がおらず、新たに採用・育成することが難しい企業もあると思います。

そうした場合には、専門の会社からDX内製化をサポートしてもらうのも有効です。

専門の会社では、DX内製化における計画の立案や内製化チームの構築支援、DX人材の採用支援などのサポートを受けることができます。ほかにも、社内人材を育成するための講習を実施してくれる場合もあります。

このように様々なサポートが受けられるため、自社にノウハウを蓄積しながらDXを内製化したい企業は、外部サポートを利用するのもよいでしょう。

まとめ:正しい進め方でDXの内製化を成功させよう

DX内製化の必要性は、急激に高まっています。DXを内製化することで、市場の変化やシステム障害にスピーディーに対応できるようになるだけでなく、ノウハウも蓄積できるようになります。

しかし、内製化を実現するためにはシステム開発環境の整備や、戦略の策定などを行う必要があり、それらには専門的なノウハウが欠かせません。

ノウハウが不足していると内製化に失敗する可能性があるため、社内に内製化を行うためのリソースやノウハウがない場合は、外部からサポートを受けるのもひとつの手段です。

私たち株式会社NoSHAPEはDX実行支援事業を行っており、代表の鬼石はこれまでに多くの企業のDX化を行ってきた実績があります。DXの内製化に課題を感じている方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

株式会社NoSHAPE

当社には、代表の鬼石を筆頭にBtoBマーケティングに精通したディレクターたちが在籍しております。代表の鬼石はKAIZEN PLATFORM出身。BtoBマーケティングのコンサルタントを10社以上手がけ、成功に導いております。

お客様とユーザーから信頼される存在であり続けるため、結果にこだわり活動します。マーケティングを元に広告・SEO・オウンドメディア・EC運用・Webサイト制作など、幅広く手厚い体制でお客様をフルサポートいたします。

https://www.noshape.jp/

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