導入事例制作会社の選び方｜営業とマーケを動かす【使える事例】の作り方

▼この記事の監修／執筆者

永井理恵子

株式会社NoSHAPE マーケティング事業部ディレクター。1997年より編集・ライター業に従事。広告タイアップ記事のほか、企業の代表や役員などのビジネスパーソン、医師や大学教授などの有識者へのインタビュー記事、求人媒体など、マーケティング的思考が求められるメディアでの経験を重ねる。現在はBtoB企業のオウンドメディア運営においてディレクションから編集まで幅広く対応。SEO対策に加えAI検索エンジン最適化（AIO対策）にも精通し、次世代の検索環境に対応したコンテンツマーケティング全般を支援している。

導入事例は「広報ツール」ではなく「検討フェーズを動かす営業資産」

BtoBの購買行動が大きく変化している現在、導入事例の重要性はかつてないほど高まっています。調査によると、BtoB購買プロセスにおける情報収集の8割がWeb上で完結するようになり、顧客は営業担当者と接触する前に、すでに十分な検討を行っています。

この変化の中で、導入事例は単なる「実績紹介」から、「検討初期から意思決定まで幅広く機能するコンテンツ」へと進化する必要があります。適切に設計された導入事例は、以下のような場面で威力を発揮します。

• 見込み客の課題認識段階での気づき創出
• 比較検討段階での差別化ポイントの訴求
• 意思決定段階での最後の一押し
• 導入後のカスタマーサクセス活動での成功イメージ共有

つまり、導入事例は1本で終わらない「営業・CS・マーケティングの共通武器」になり得るのです。

しかし、量産型の導入事例制作では、この成果を得ることはできません。

インタビューを「ただ聞いて記事化する」だけでは、Webに掲載する以外の用途に再利用できません。読者視点での訴求、営業現場での活用、社内での展開など、用途を見据えて設計できるかどうかが、導入事例を資産化できるかの分かれ道となります。

参考：株式会社wib｜【独自調査レポート】BtoBの購買プロセスにおいて、84％の決裁者が営業担当との接触前に購買を決定づける情報にリーチ

よくある導入事例制作の【もったいない】パターン

多くの企業が導入事例制作に取り組んでいますが、残念ながら以下のようなパターンに陥ってしまうケースが少なくありません。

パターン1：Web掲載だけで終わってしまう

制作した導入事例をWebサイトに掲載するだけで満足してしまい、営業資料やマーケティングツールとしての活用が進まず、せっかくの顧客の生の声が眠ったままになってしまいます。

パターン2：営業が活用しづらい

ストーリーが長すぎて商談で使いにくい、特定の業界に特化しすぎて汎用性が低い、営業が伝えたいポイントと記事の構成がズレているなど、現場での活用を想定していない事例記事になってしまいます。

パターン3：ターゲットとのズレ

想定読者が明確でないため、具体的な効果、導入プロセス、課題解決の詳細など、読み手が本当に知りたい情報が不足している事例記事になってしまいます。

導入事例を「成果につなげる」ために必要な3つの視点

導入事例を単なる実績紹介で終わらせず、ビジネス成果に直結させるためには、制作段階から戦略的な視点が必要です。ここでは、成果を最大化するために押さえるべき3つの重要な視点をご紹介します。

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単なる記事制作ではなく、ホワイトペーパー・営業資料・セミナー活用までを一貫支援します

①インタビュー設計段階から営業・マーケティング目線を入れる

成果につながる導入事例制作は、インタビュー設計段階から始まります。まず重要なのは、想定読者ごとの訴求ポイントを明確化することです。

例えば、同じ導入事例でも「経営層」「現場責任者」「エンドユーザー」では知りたい情報が異なります。経営層であれば投資対効果や戦略的意義、現場責任者であれば導入プロセスや運用体制、エンドユーザーであれば使いやすさや日常業務への影響といった具合です。

また、ペルソナとカスタマージャーニーを活用したストーリー設計も欠かせません。顧客がどのような課題認識から始まり、どのような検討プロセスを経て導入に至ったのか、そして導入後どのような変化があったのかを、読み手の立場に立って構成することが重要です。

②営業・マーケ・CSで「使える」形式に再構成する

一度のインタビューデータから、複数のアウトプットを作成することで投資効果を最大化できます。具体的には以下のような形式への展開が有効です。

• 短尺サマリー：商談で使える1-2分で説明できる事例要約
• 比較シート：競合比較時に活用できる機能・効果の対比表
• FAQ形式：よくある質問への回答として事例を活用
• ホワイトペーパー：詳細な課題解決プロセスを資料化
• セミナー資料：事例を活用したウェビナーコンテンツ

このような多様なアウトプットを最初から想定してインタビューを設計することで、一度の取材で最大限の成果を得ることができます。

③定量効果・リアルな声を引き出す質問設計

説得力のある導入事例には、具体的な数値と生の声が不可欠です。Before/Afterの定量比較では、単純な数値だけでなく、その背景にある業務プロセスの変化や組織への影響まで深掘りします。

また、実際の現場の声や業界トレンドとの関連づけを行うことで、読み手にとってより身近で参考になる事例に仕上げることができます。「同じような課題を抱えている自分たちにも適用できそう」と思ってもらえるような質問設計が重要です。

制作会社に依頼するときのチェックポイント

導入事例制作会社を選ぶ際は、単なる「記事が作れる」会社ではなく、ビジネス成果まで見据えた戦略的なパートナーを選ぶことが重要です。以下の3つの視点から、制作会社の実力を見極めましょう。

1. 記事だけでなくホワイトペーパーやセールス資料まで展開設計できるか

単発の記事制作で終わらせず、1回のインタビューデータを多角的に活用する設計力があるかを確認します。Web掲載用の記事に加えて、リード獲得用のホワイトペーパー、商談で使える短尺サマリー、営業資料、セミナーコンテンツ、FAQ集など、複数のアウトプットを最初から想定した取材設計ができる会社を選びましょう。これにより、1回の投資で最大限のROIを実現できます。

2. ペルソナとカスタマージャーニーに基づいた構成設計が可能か

質問項目の作成から取材の実施、記事化まで一貫してサポートしてくれる会社がベストです。特に重要なのは、ターゲットとなるペルソナとそのカスタマージャーニーを理解した上で、戦略的な取材・構成設計ができるかどうかです。

貴社のビジネスモデルや競合環境、顧客の購買プロセスを深く理解し、「誰に」「どのフェーズで」「何を伝えるべきか」を設計できる会社を選びましょう。

3. 営業・マーケ・CS部門での「使われ方」まで支援してくれるか

制作後の活用方法まで含めて提案してくれる会社を選びましょう。単に記事を納品するだけでなく、営業チームでの具体的な活用方法、マーケティングオートメーションでの配信戦略、CS活動での成功事例共有、効果測定の方法なども含めて相談できる会社が理想的です。

また、社内展開用のテンプレートやガイドラインの整備、営業研修でのレクチャーなど、組織全体で活用が進む仕組みづくりまで支援してくれるかも重要なポイントです。

NoSHAPEが選ばれる理由

これまでご紹介してきた「成果につながる導入事例制作」を実現するために、当社では独自のアプローチとノウハウを提供しています。単なる記事制作代行ではなく、ビジネス成果にコミットする戦略的パートナーとして、以下3つの強みでお客様の導入事例を資産化します。

インタビュー設計時点で成果の使い道を複数想定

導入事例制作は、「取材をして記事にまとめる」だけではありません。当社では、インタビュー設計の初期段階から、「将来的にどのような活用をするか」を前提に構成を組み立てます。

• Web掲載用の事例記事として読み手に刺さる構成
• ホワイトペーパーや事例集、PDFダウンロード用資料としての切り出し
• 営業ツール（短文サマリー、比較表、よくある質問形式）としての設計
• メルマガやセミナー資料、SNS用抜粋コンテンツへの展開

こうした【多用途展開】を見越した設計によって、最初の取材データが1回で終わらず、複数フェーズで資産として回るようになります。たとえば、1回のインタビューから、Web記事・ホワイトペーパー・営業用サマリー・FAQ集・セミナー資料など、5〜7種類のコンテンツを生み出すことも可能です。

ホワイトペーパー・LP・セミナー資料・メルマガ導線まで支援

ただ単に事例記事を納品するのではなく、事例データをあらゆるマーケティングチャネルで使えるように変換・展開支援を行います。

• ホワイトペーパー化：要点を整理し、ダウンロード誘導型の構成に最適化
• LP（ランディングページ）構成案：導入事例を軸に訴求構造を作る
• セミナー資料への転用：導入事例のストーリーをスライド化しやすく整理
• メルマガ導線設計：事例の要素を切り出してメールで配信、誘導設計

これにより、事例制作のコストを最大化し、単なる導入事例記事にとどまらない引きの強さを担保できます。マーケティングオートメーションとの連携設計や、各チャネルでの効果測定ポイントの設定まで、トータルでサポートいたします。

製造業・医療・SaaSなど、専門業界への対応力

BtoBにおいては、業界ごとの商習慣や導入背景、顧客が重視する指標・用語が異なります。当社では、複数の専門業界での支援実績をもとに、業界特有の論点を押さえた構成・質問設計が可能です。

例）

• 製造業：生産性・コスト削減・導入時の稼働負荷などを定量化。現場オペレーターから経営層まで、階層別の訴求ポイントを設計
• 医療／ヘルスケア：法規制・システム連携・セキュリティ要件などを聞き出す。医療従事者が納得する専門用語と、経営側が求めるコスト効果の両面を押さえる
• SaaS／IT：導入効果のKPI（ROI・定着率）・他システム連携・UI/UX改善ポイントなどを浮き彫りに。テクニカルな意思決定者と、ビジネス側の決裁者双方への訴求を設計

このように、表面的な導入事例に終わらず、読み手の業界知見を超える示唆を提供できる点が当社の大きな強みです。業界特有の課題や成功パターンを深く理解しているからこそ、「この事例は自社にも当てはまる」と感じてもらえるコンテンツ設計が可能になります。

自社に合った「導入事例のその先まで見据えた制作会社」を選ぶには

最後に、制作会社選びの決め手となるポイントをまとめます。優れた導入事例制作会社は、以下の3つの視点を持っています。

「導入事例をもっと活用したい…」とお考えなら
お気軽にご相談ください。
インタビュー設計から活用設計まで、目的に応じた最適なご提案をいたします。
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マーケティング起点と営業起点の両方から設計できるか

リード獲得やナーチャリングといったマーケティング活動と、商談での活用といった営業活動の両方を理解し、それぞれに最適化されたコンテンツを提案できる会社を選びましょう。

制作後の活用設計まで考えているか

記事制作が完了した時点がゴールではなく、その後のホワイトペーパー化、動画コンテンツ化、SNS展開、営業支援ツールとしての活用まで見据えた提案ができるかどうかが重要です。

仮説設計や台本・構成のコンサルティングが含まれているか

単純なインタビュー代行ではなく、貴社のビジネス戦略に基づいた仮説設計から、取材台本の作成、記事構成の提案まで、戦略的なコンサルティングを提供してくれる会社を選びましょう。

導入事例は、適切に制作・活用すれば、営業とマーケティングの両方を強力に支援する資産となります。制作会社選びの際は、ぜひこの記事でご紹介した視点を参考に、長期的なパートナーとして伴走してくれる会社を見つけてください。

永井理恵子

株式会社NoSHAPE マーケティング事業部ディレクター。1997年より編集・ライター業に従事。広告タイアップ記事のほか、企業の代表や役員などのビジネスパーソン、医師や大学教授などの有識者へのインタビュー記事、求人媒体など、マーケティング的思考が求められるメディアでの経験を重ねる。現在はBtoB企業のオウンドメディア運営においてディレクションから編集まで幅広く対応。SEO対策に加えAI検索エンジン最適化（AIO対策）にも精通し、次世代の検索環境に対応したコンテンツマーケティング全般を支援している。