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BtoBのマーケティングオートメーションとは?導入メリットと選び方を解説

永井理恵子

「リードは獲得できているのに、商談につながらない」
「営業からリードの質が低いと言われる」

こうした課題を抱えるBtoB企業が増えています。その解決策として注目されているのが、マーケティングオートメーション(MA)です。

ただし、MAはツールを導入するだけでは機能しません。見込み客の流れを設計し、シナリオを組み、営業との連携を仕組みとして構築してはじめて成果につながります。

本記事では、BtoBにおけるMAの基本から、CRM・SFAとの違い、ツールの選び方、導入ステップ、よくある失敗パターンまでを体系的に解説します。

▼この記事の監修/執筆者

BtoBにおけるマーケティングオートメーション(MA)とは

BtoBのマーケティングオートメーション(MA)とは、見込み客の行動履歴をもとに、最適なタイミングで最適なコンテンツを自動配信し、リードを育成して商談化につなげる仕組みです。

具体的には、メールの自動配信、Webサイト上の行動トラッキング、リードスコアリング(見込み度の点数化)、営業へのアラート通知などの機能を持ちます。これらを組み合わせることで、今すぐ検討していない見込み客との関係を維持しながら、適切なタイミングで営業に引き渡す流れを自動化できます。

MAでできること

  • リードスコアリング:見込み客の行動(ページ閲覧・資料DL・メール開封など)に点数をつけ、商談化の優先順位を可視化する
  • シナリオメール配信:見込み客の行動や属性に応じて、最適なタイミングでメールを自動送信する
  • 行動履歴トラッキング:見込み客がどのページを見て、何をダウンロードしたかを記録・分析する
  • 営業連携(SFA連携):スコアが一定以上になったリードを自動的に営業に通知し、商談化のタイミングを逃さない
  • フォーム・LP管理:問い合わせフォームやランディングページを一元管理し、流入〜CV後のデータを統合する

MA・CRM・SFAの違い

MAと混同されやすいツールにCRM(顧客関係管理)とSFA(営業支援システム)があります。それぞれの役割は以下の通りです。

MA

CRM

SFA

主な役割 見込み客の育成・自動配信 顧客情報の管理・関係維持 商談・営業活動の管理
主な対象 リード(見込み客) 既存顧客・見込み客 商談中の案件・顧客
主な機能 スコアリング・シナリオメール・行動トラッキング 顧客データ管理・履歴管理・サポート 商談管理・進捗管理・予実管理
代表ツール HubSpot・Pardot・Marketo Salesforce・HubSpot CRM Salesforce・HubSpot Sales
BtoBでの役割 商談前のリード育成 契約後の関係管理 商談中〜受注の管理

3つのツールは互いに補完関係にあります。MAでリードを育成し、SFAで商談を管理し、CRMで顧客関係を維持するという流れが、BtoBマーケティングにおける理想的な構成です。導入する際は、既存のSFA・CRMとの連携可否を必ず確認してください。

BtoBにマーケティングオートメーションが必要な理由

MAはあらゆる企業に必要なわけではありませんが、BtoBのビジネス構造とは特に相性が良いツールです。ここでは、BtoBにMAが必要とされる3つの理由を解説します。

BtoBの購買プロセスは長く・複雑

BtoBの購買は、認知→情報収集→比較検討→社内承認→決定という複数のフェーズを経ます。検討期間は数週間から数ヶ月に及ぶことも珍しくありません。

この長い検討期間の中で、見込み客との接点が途切れてしまうと、競合に先を越されるリスクがあります。MAは、この期間中に継続的かつ自動で接点を持ち続けることができる仕組みです。

リード獲得後の「育成」が成果を分ける

展示会やウェビナー、SEOなどでリードを獲得しても、今すぐ検討しているリードは全体の一部にすぎません。獲得したリードをそのまま営業に渡しても、大半は「まだ検討していない」という状態であり、商談化しないケースが多くなります。

MAを活用することで、今すぐ検討していないリードに対して役立つ情報を継続的に届け、検討フェーズが進んだタイミングで営業につなぐナーチャリングの仕組みを作ることができます。

営業とマーケティングの連携を仕組み化できる

BtoB企業では「マーケが渡すリードの質が低い」「営業がリードを追わない」という部門間の溝が根深い問題として存在します。MAのスコアリング機能を活用することで、「どのリードが今すぐ検討しているか」を数値で可視化し、営業が動くべきタイミングと優先順位を明確にできます。

感覚ではなくデータに基づいてリードを営業に渡す仕組みを作ることで、マーケと営業の連携精度が大幅に上がります。

 

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BtoB向けMAツールの選び方

MAツールは種類が多く、機能や価格帯もさまざまです。自社の課題・規模・既存ツールとの相性によって最適なツールは異なります。以下の3つの観点で絞り込んでいくと選びやすくなります。

自社の課題とフェーズで選ぶ

MAツールを選ぶ際にまず整理すべきは「自社が解決したい課題は何か」です。課題によって、必要な機能が異なります。

  • リード獲得を強化したい:フォーム管理・LP管理・流入計測機能が充実したツール
  • ナーチャリングを仕組み化したい:シナリオメール・スコアリング機能が豊富なツール
  • 営業連携を改善したい:SFA(Salesforce等)との連携が深いツール

目的が曖昧なままツールを選ぶと、導入後に「使いこなせない」「必要な機能がない」という問題が起きやすくなります。

既存ツールとの連携で選ぶ

MAは単独で使うよりも、既存のSFA・CRM・CMSと連携することで効果を発揮します。特にSalesforceをSFAとして使っている企業では、Pardot(Marketing Cloud Account Engagement)との親和性が高く、データの連携がスムーズです。HubSpotは独自のCRM・SFAを持っており、マーケ〜営業を一つのプラットフォームで管理したい場合に向いています。

導入前に「現在使っているツールと連携できるか」「APIで連携できるか」「データの移行コストはどれくらいか」を必ず確認してください。

MAツールの種類と特徴

MAツールは機能の深さとUIの設計思想によって大きく3つのタイプに分類できます。自社の規模・課題・リソースに合ったタイプを選ぶことが、導入後の活用につながります。

タイプ

代表ツール 向いている規模 UIの難易度

主な強み

オールインワン型 HubSpot 中小〜中堅企業 低い(直感的) マーケ・営業・CRMを一元管理。初導入に向く
エンタープライズ型 Pardot(Marketing Cloud AE)・Marketo 中堅〜大企業 高い(習熟が必要) 複雑なシナリオ・大規模リード管理・SFA連携
国産シンプル型 BowNow・SATORI 中小企業・スタートアップ 低い(日本語UI) 低コスト・導入障壁が低い・まず始めたい企業向け

① オールインワン型(例:HubSpot)

マーケティング・営業・CRM機能を一つのプラットフォームで提供するタイプです。直感的なUIで操作しやすく、ツール間の連携がシームレスなため、初めてMAを導入する企業や、マーケ・営業を一体で管理したい企業に向いています。無料プランから始められるため、まず試してみたい企業にも導入障壁が低い点が強みです。一方、機能が広い分、複雑なシナリオ設計や大規模なデータ管理には限界が出る場合があります。

② エンタープライズ型(例:Pardot・Marketo)

大規模なリードデータの管理・複雑なシナリオ設計・高度なスコアリングに対応するタイプです。Salesforceとの連携が深く、営業プロセスとの統合管理に強みがあります。UIは機能が豊富な分、習熟に時間がかかる傾向があり、専任担当者または外部支援が前提になることが多いです。リード数が多く、営業組織が大きい中堅〜大企業向けのタイプです。

③ 国産シンプル型(例:BowNow・SATORI)

日本語UIで直感的に操作でき、機能を絞ってシンプルに使えるタイプです。初期費用・月額費用が比較的低く、MAを初めて導入する中小企業やスタートアップに向いています。高度なシナリオ設計や大規模なリード管理には不向きですが、「まずMAを使い始めたい」という段階では導入障壁が低い点が強みです。

中小企業向け・大企業向けの違い

中小企業がMAを選ぶ際は、操作の手軽さ・コスト・サポート体制を重視することを推奨します。専任担当者が1名以下の場合は、設定が複雑なエンタープライズ型より、国産シンプル型やオールインワン型の方が長続きしやすくなります。

中堅〜大企業では、リード数の多さ・複数部門との連携・既存SFAとの統合が重要な選定基準になります。導入後の運用コストや、外部パートナーによる支援体制の有無も含めて検討してください。

BtoBでMAを導入・活用するステップ

MAの導入は、ツールを設定して終わりではありません。以下の6つのステップを順番に進めることで、導入後の活用につながります。

ステップ1. 目的とゴールを明確にする

最初に「MAで何を実現したいか」を明確にします。「リードの育成」「営業への引き渡しの仕組み化」「メール配信の自動化」など、目的によって設定すべき機能とKPIが変わります。目的が曖昧なままでは、導入後に何を改善すべきかが見えなくなります。

ステップ2. リードの流れを設計する

MAを機能させるためには、「どのようなリードが・どのフェーズを経て・どのタイミングで営業に渡るか」という流れを設計する必要があります。この設計がなければ、ツールを入れても自動化する「シナリオ」が作れません。

リードの流れの設計は、マーケ担当者だけでなく営業担当者も含めて合意を取ることが重要です。

ステップ3. シナリオとコンテンツを準備する

MAのシナリオメールを配信するためには、フェーズごとに届けるコンテンツが必要です。ホワイトペーパー・事例集・比較資料・FAQ・ウェビナーの案内など、見込み客の検討段階に合ったコンテンツを事前に用意しておかなければ、MAは機能しません。コンテンツ不足はMA導入失敗の最も多い原因の一つです。

ステップ4. スコアリング基準を設定する

スコアリングとは、見込み客の行動に点数をつけ、商談化の優先度を可視化する仕組みです。「資料をダウンロードしたら20点」「サービスページを3回以上閲覧したら30点」「メールを開封したら5点」など、自社の商談データをもとに基準を設定します。

スコアリング基準は営業チームと共同で設計することが重要です。「何点以上になったら営業が動く」という基準を合意しておかないと、スコアが高くても営業が動かないという事態が起きやすくなります。

ステップ5. 営業との連携フローを決める

MAで育成したリードを営業に渡すタイミングと方法を決めます。「スコアが〇点以上になったら営業に通知する」「特定のページを閲覧したらアラートを送る」など、具体的なトリガーとアクションを設定します。

また、営業がリードにアプローチした結果(商談化・失注・保留など)をMAにフィードバックする仕組みも作ることで、スコアリングの精度が上がっていきます。

ステップ6. 計測・改善サイクルを回す

MAは導入して終わりではなく、継続的な改善が成果を生みます。メールの開封率・クリック率・CV率・商談化率などを定点観測し、シナリオやスコアリング基準を改善し続けることで精度が上がっていきます。

「どのシナリオが商談につながっているか」「どのコンテンツで離脱が多いか」を分析し、改善の優先順位をつけることが重要です。

 

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BtoBのMA導入でよくある失敗パターン

MAを導入したにもかかわらず成果が出ない企業には、共通する失敗パターンがあります。導入前に把握しておくことで、同じ轍を踏まずに済みます。

失敗①:ツールを入れただけでシナリオを設計しない

MAを導入したにもかかわらず、シナリオメールの設定も自動化の設計もしないまま放置されるケースは非常に多いです。ツールはあくまで手段であり、使う目的とシナリオがなければ何も自動化されません。導入前にシナリオ設計まで完了させてから、ツールの設定に入ることを推奨します。

失敗②:コンテンツが不足してMAが機能しない

シナリオを設計しても、配信するコンテンツが不足していれば機能しません。「メールで届けるホワイトペーパーがない」「事例記事がない」という状態でMAを動かすと、薄いコンテンツを繰り返し送るだけになり、見込み客に嫌われるリスクがあります。MAの導入前に、フェーズごとに届けるコンテンツが揃っているかを確認してください。

失敗③:スコアリング基準が営業と合っていない

マーケ側でスコアリングを設定しても、営業が「このリードはまだ早い」と感じるようでは連携が機能しません。スコアリング基準は営業チームと合意して設定することが必須です。また、導入後も定期的に「スコアが高いリードが実際に商談化しているか」を検証し、基準を見直す運用が必要です。

失敗④:運用担当者が決まっていない

MAは導入後も継続的な運用が必要です。シナリオの更新・コンテンツの追加・スコアリングの見直し・効果測定など、担当者が決まっていなければ更新が止まり、形骸化します。導入前に「誰が運用するか」「どのくらいの工数をかけるか」を決めておくことが、長期的な活用の前提条件です。

BtoBのマーケティングオートメーションに関するよくある質問

MAの導入を検討する企業からよく寄せられる質問に回答します。

Q. MAは中小企業でも導入できますか?

導入できます。国産シンプル型のツール(BowNow・SATORIなど)は低コストで始められ、専任担当者が少ない環境でも運用しやすい設計になっています。ただし、中小企業でもシナリオ設計とコンテンツ準備は必要です。ツールの規模に関わらず、「誰に・何を・どのタイミングで届けるか」を設計してから導入することが成功の前提になります。

Q. MAを導入すると営業は不要になりますか?

不要にはなりません。MAはあくまで「今すぐ検討していないリードを育成し、適切なタイミングで営業に渡す」ための仕組みです。商談化・クロージングは引き続き営業が担います。MAの目的は営業の代替ではなく、営業が動くべきリードを絞り込み、商談の質と効率を高めることです。

Q. MAとインサイドセールスはどう連携しますか?

MAとインサイドセールスは補完関係にあります。MAがリードを育成してスコアが一定以上になったタイミングで、インサイドセールスがアプローチし、商談化の可否を確認するという流れが一般的です。MAで「温まったリード」をインサイドセールスに渡し、インサイドセールスが商談化したリードをフィールドセールスに引き継ぐという3段階の連携設計が、BtoBマーケティングの効率を高めます。

まとめ:MAはツールではなく仕組みとして設計する

BtoBのマーケティングオートメーションは、ツールを導入するだけでは機能しません。リードの流れを設計し、シナリオとコンテンツを準備し、営業との連携を仕組み化してはじめて成果につながります。

まずは自社の課題が「リード育成の仕組みがない」のか「営業連携がうまくいっていない」のかを整理し、それに合ったツール選びと設計を進めることが重要です。

BtoBマーケティング全体の戦略設計については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:BtoBマーケティング戦略の立て方|施策の選び方と実行ステップを解説
関連記事:BtoBマーケティング会社おすすめ比較|失敗しない選び方と外注すべき理由を徹底解説

 

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株式会社NoSHAPE

当社には、代表の鬼石を筆頭にBtoBマーケティングに精通したディレクターたちが在籍しております。代表の鬼石はKAIZEN PLATFORM出身。BtoBマーケティングのコンサルタントを10社以上手がけ、成功に導いております。

お客様とユーザーから信頼される存在であり続けるため、結果にこだわり活動します。マーケティングを元に広告・SEO・オウンドメディア・EC運用・Webサイト制作など、幅広く手厚い体制でお客様をフルサポートいたします。

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