BPOサービスとは？種類や導入のメリット、業者の選び方を紹介

BPOサービスとは

BPOサービスとは、「Business Process Outsourcing（ビジネスプロセスアウトソーシング）」の略称で、総務・経理・人事・営業活動・マーケティングなど幅広い領域の業務を総合的に委託できるサービスのことです。

BPOサービスを利用することで、自社にノウハウが蓄積されていない業務も依頼でき、企業が成果や利益を生み出すためのコア業務に集中することができます。欧米企業では積極的に活用されている経営手法です。

BPOサービスを行っている会社には、特定の業務領域に関する専門的なノウハウを持った人材が在籍しており、業務を代行してもらえます。業務の実行だけでなく、業務プロセスの設計や構築、運用、改善までも包括的に対応してくれるため、自社のリソースを割かなくても業務を効率化させることができます。

BPOサービスで委託できる業務

BPOサービスでは、以下のように様々な業務を委託できます。

業務の範囲はBPOサービス会社によって異なり、一部の業務に特化した会社もあれば、多くの業務を網羅する会社もあります。

BPOサービスとアウトソーシングとの違い

BPOサービスはアウトソーシングの一種ですが、より細分化されたものとなります。その違いを説明しておきます。

まず、アウトソーシングという言葉には、一部分の業務を一時的に外部委託するというニュアンスがありますが、BPOサービスは業務をまるごと委託するというものです。受付業務やコールセンター業務などのノンコア業務をすべて委託するので、一部分ではなくすべてを委託すると考えられるでしょう。

また、業務の前後のプロセスもBPOサービスの業務に含まれるので、通常のアウトソーシングよりも総合的なアウトソーシングがBPOサービスといえます。

支払われる対価についても違いがあります。BPOサービスは業務の遂行や業務の達成度に対して費用が支払われることが多いですが、アウトソーシングは人材の労働時間・労働量またはサービスの使用料に対して費用が支払われます。

BPOサービス導入のメリット

BPOサービスの導入には、様々なメリットがあります。

業務を効率化できる

ノンコア業務の多くはルーティンワークであり、非効率的な作業方法が慣例的に行われていることも少なくありません。BPOサービスによって専門企業のノウハウが活かされ、ルーティンワークをより効率化させることができます。

また、特定の社員だけが業務の進め方を知っているために、共有ができない、特定の人がボトルネックになるなどのケースもあります。BPOサービスで外部委託しておけば、急に特定の社員が退職・休職したり、トラブルで早急な対応が必要になったりしても、業務が滞ることはありません。

コストを削減できる

BPOサービスによってコストを削減できます。業務に精通した人材は人件費が高いので採用するとコストがかかりますし、逆に人件費を抑えようとすると人材のレベルが下がりますし、マニュアルの準備や研修の実施など人材育成コストがかかってしまいます。

しかし、BPOサービスを導入すれば、専門性の高い人材を正社員として採用するコストや、社内の人材を育成するコストが必要ありません。コストを抑えながらも質の高い知識やスキルを活用でき、無駄な人件費や人材育成コストを削減できます。

コア業務に集中できる

BPOサービスの大きなメリットは、コア業務に集中できることです。

ノンコア業務は会社経営において必要なものですが、直接企業の収益に繋がることはありません。BPOサービスを導入してノンコア業務への負担を減らせば、コア業務に集中させるべき人材や活動への経営資源を増やすことができます。

結果として、事業における独自性・優位性の強化や生産性の向上に繋がり、企業をより成長させることができます。

事業の成果を最大化できる

BPOサービスを利用することで、事業の成果を最大化することができます。

BPOサービス業者は、委託する業務におけるプロフェッショナルです。該当の業務における専門的なノウハウを持っている人材やスペシャリストを保持しています。BPOサービスを利用すれば、高いスキルや自社にないリソースを獲得することができるので成果につながりやすいのです。

また、BPOサービス業者は頻繁に変わりゆく法や規制などにも精通しているため、あらゆるリスクを回避できます。

BPOサービスを効果的に利用するには

BPOサービスをただ導入するよりも、より効果的に利用するための方法があります。

まず、BPOを導入した目的や社内における課題を明確化することは、あらかじめ行っておくべきです。ビジネスプロセスごと委託できることはBPOサービスの大きな利点ではありますが、目的や課題の明確化ができていないと本来得られるはずの成果も得られなくなってしまいます。

BPOサービス業者にとっても、目的や課題がはっきりしていれば業務をスムーズに始められるようになりますし、より迅速に高い効果が期待できます。

また、BPOサービスの導入効果を高めるためには、コスト削減だけを目的としないことも重要です。コスト削減だけを目的としてしまうと、コストをかけることで大きな成果を得られるチャンスを逃してしまうかもしれません。BPOサービス業者と相談しながら、最終目標の達成までに必要だと思われるコストをかけるようにしましょう。

もちろん、サービス導入後は業者へ任せっきりにせず、常に自社側で改善の余地を探していくことも重要です。

BPOサービス会社の選び方

専門領域や業務内容こそ業者によって様々ですが、BPOサービスを提供している企業は多数あります。BPOサービスの導入が成功するかどうかは、その業者選びが大きな影響を与えます。BPOサービス業者を選ぶ際は、以下のポイントを考慮しながら検討してみましょう。

対応業務・専門性

検討している業者が委託する業務に対応しているか、専門ノウハウを保有しているかを確認しましょう。

専門領域を持っており、自社の課題を解決してもらえることは非常に重要です。どんな業務もそれなりにできる業者を選ぶのではなく、委託したい業務に特化した業者を選ぶようにしましょう。

対応業務や専門性のミスマッチが防げれば、費用対効果が得られないというリスクを回避できます。

実績

BPOサービス業者のホームページに掲載されている実績を確認しましょう。それによって、委託したい業務に精通しているのか、成果を出すことができるのかを判断できます。

実績をみるときには、具体的な内容が書かれているかをチェックしましょう。どのような成果をどれくらい得られたのか、どのような対応だったかなど、導入後のイメージをしておくのがよいです。

コスト

委託予定の業務内容が同じでも、BPOサービス会社によって費用が異なります。

そのため、複数の会社から見積もりをもらうようにしましょう。1社だけしか見積もりを取っていないと、相場よりも高い費用で契約してしまうことになります。

また、その会社のBPOサービスを導入することで、どれくらいの費用対効果が得られるのかをシミュレーションしてもらうのもよいでしょう。満足のいくサービスが受けられないこともあるため、導入コストの安さだけで判断するのはよくありません。

見積もりを依頼した際には、費用の内訳について詳細に説明できるかどうかを確認するのもよいでしょう。

セキュリティ

セキュリティ対応基準が満たされているかどうかもチェックすべき事項です。BPOサービスを利用する際には、顧客の個人情報や自社の機密事項を業者に共有することも多いです。万が一、自社の持つ情報が漏えいした場合、顧客と自社に大きな損失が発生してしまいます。

BPOサービス業者のセキュリティ意識が高いかどうかは、プライバシーマークや「JIS Q 27001」という規格の有無で判断できます。委託契約を結ぶ前に、業者の信頼性やセキュリティ品質基準などをあらかじめ確認しましょう。

また、委託した業務を海外の企業に再委託する「海外BPO」を行っている会社もあります。国内でのサービスと比べてコストは安くなるものの、機密情報を国外に持ち出すことによるセキュリティリスクがあるため注意が必要です。

BPOサービス会社5選

BPOサービスを提供している多くの会社の中から、BtoBマーケティングや営業支援、バックオフィス業務などのノウハウを持つ5つの会社をご紹介します。各会社について、BPOサポートの対応業務や専門領域、特徴などを解説します。

BtoBマーケティング、営業支援に「株式会社NoSHAPE」

株式会社NoSHAPE

BtoBマーケティングやDX支援、営業支援を行っている株式会社NoSHAPEでは、広告運用、Web集客、メディアの立ち上げ・運用など、BtoBのマーケティング全般の業務のBPOサービスを提供しています。専門性の高いディレクターが揃っているので、あらゆるマーケティング業務を委託できます。

DX実行支援も行っており、デジタルの知識を持った人材が得られない会社に対して支援しています。

Webを利用したマーケティング業務に負担を感じたり、BtoBマーケティングのノウハウが少なかったりする会社での利用がおすすめです。

管理業務、営業活動に「株式会社パソナ」

株式会社パソナ

株式会社パソナのBPOサービスは、業種や業界を問わず多くの企業に導入されています。業務改善・コンプライアンス・ノウハウの集約と発信の3つの専門部署を設け、管理業務や営業活動などを始めとする幅広い業務に対応しています。

業務調査による現状の見える化や業務設計といった初期段階から、業務が安定して運営されるまでをサポートしてもらえます。ノンコア業務をアウトソーシングすることによる費用対効果も検討してもらえるため、業務効率化とともにコスト削減も実現可能です。

人材会社ならではの強みを活かす「株式会社ネオキャリア」

株式会社ネオキャリア

人材会社である株式会社ネオキャリアのBPOサービスは、採用力による高いサービスクオリティでリピート率80%以上を誇ります。月間80社以上のアウトバウンド・インバウンド業務の代行を行っており、同社のBPOサービスを利用している企業は累計3,000社以上に及びます。

データ入力やカスタマーサポート、市場調査、Webサイト制作など、業界を問わず利用できるサービスの幅広さが特徴です。

情報管理が徹底されており、ICカード・指紋認証・監視カメラなどによる入退室管理を実施。大事な顧客情報や情報資産を守るためのセキュリティも万全です。

国内で非正規社員を雇用するよりも安価で委託できるため、高品質なサービスを提供してもらいながらでもコスト削減が可能になります。

即戦力で人材不足をサポート「株式会社キャスター」

株式会社キャスター

導入企業が2,500社を突破した、株式会社キャスターのBPOサービス「オンラインアシスタント」では、日常業務から秘書や営業事務、人事、経理などの専門的な業務をワンストップで対応してもらえます。

わずか1/100の採用倍率をくぐり抜けた、即戦力となるアシスタントに業務を依頼できるのが特徴です。

問い合わせから利用開始までが最短5日間ほどと導入スピードも早く、全てオンラインで完結します。サービス利用までの手間や時間も最小限に抑えられるため、すぐにBPOサービスを導入したい場合におすすめです。

幅広いノンコア業務に「トランスコスモス株式会社」

トランスコスモス株式会社

BPOサービス業者として世界でも有数のトランスコスモス株式会社は、サービスの幅の広さが特徴です。経理や人事などのバックオフィス業務だけでなく、企画開発・生産業務や物流業務、販売・アフターサービスなどの業務にも対応しています。

また、デジタル技術を活用して業務の効率化を図る「Digital BPO®」というサービスも提供しています。RPA・AIの技術により、グループ各社が抱えている経理や人事などの業務を本社・子会社に集約できるため、グループ企業全体の業務効率化が期待できます。

大手企業や大手メーカーから導入された実績が豊富で、ホームページではサービス導入における成果を確認することができます。

まとめ：BPOサービスを活用して自社のビジネスを加速させよう

BPOサービスを導入すれば、業務の効率化や人材育成コストの削減などが期待できます。コア業務への経営資源を増加させるためにも、BPOサービスの導入がおすすめです。

ただし、業者によって専門領域や対応範囲などが異なるため、慎重に業者を選ぶ必要があります。

株式会社NoSHAPEでは、広告運用やWeb集客、メディアの立ち上げ・運用を行っており、BtoBマーケティングやDX化などを行いたい会社におすすめです。Web集客やデジタルに対して専門性の高い人材が揃っていますので、それらの業務においてBPOサービスの利用を検討しているという場合は、お気軽にお問い合わせください。